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千堂「A、動ける?」

『……うん、大丈夫だよ。
ごめんね、ちょっとだけ肩貸してほしい』

千堂「当たり前だろ、ホラ。」


葬儀をひと通り終えて、この場は解散となった。

家に帰るために電車を乗り継いで最寄りの駅まで向かう、日向のことは千冬や弟くんたちが面倒を見てくれている。



『……敦は、いなくなったりしないよね』



この時間にしては電車内はガラガラだった。

隣に座る彼の肩に寄りかかりながら、特に話しかけるわけでもなく言葉がポツリと口からこぼれた。



千堂「言ったろ?
俺は命を懸けてAのことを守るんだって。」

『それはさ、いなくならないってことにはならないでしょ?』

千堂「俺が死んでAが助かるんだったら、喜んで命のひとつぐらい差し出してやるけどな。」


『そんなの、やだよ。』


少し膨らんできたかな、どうかな。
変化が何となくでてきたようなお腹をさすって、彼の手を掴んで私のお腹に添える。

千堂「おっきくなってきたな、少しだけ」

『少しだけね』

千堂「ママのこと、あんまり辛い思いさせちゃダメだからな」


電車でやるようなことではないけど、今乗っている車両には私たち以外には乗客もいないし今日ぐらいは許してもらおう。


千堂「晩御飯、どうすっかな」

『適当に、冷凍食品がなんかあったと思うしそれ食べようよ』

千堂「いや、ダメだろ。健康に悪い。」

『でも私作る元気ないよ』

千堂「俺、作るよ。それでもいい?」

『なに、作ってくれるの?作れる?』


そういう気力も元気も、私にはまるでないから彼の気持ちが心配になってしまう。

千堂「うん、大丈夫。俺が作るよ。何が食べたい?
いつも美味しい飯作ってくれるし、今日ぐらいは力にならせて。」

『なんだろうな、大分あったかくなってきたし、素麺とかでいいよ?
茹でるだけならラクでしょ、きっと。』

千堂「分かった。
なんか適当に薬味だけ買って帰ろうな」

『うん』


離れないで欲しい、ずっと隣にいて。

武道みたいに、彼みたいにいなくならないで。



ぎゅっと手を握れば、それを上回る力減で握り返してくる。


千堂「歩くの辛かったらタクシー拾うから言ってな」

『健康のためには歩かなきゃ』

千堂「それもそっか」


別に今日じゃなくても良いって言ったのに、自分が持つからと近くのスーパーで食品を買いだめて、袋がたくさんになってしまった。


『重たいでしょ、半分持つよ?』

千堂「いやこれぐらい大丈夫だよ、俺ちゃんと鍛えてるし」

『でも、重いもんは重いじゃん……』



結局持ち手の片方しか貰えず、仲良し夫婦のまんまで帰宅した。

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(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時

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