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日向と武道の結婚式を三ヶ月後に控えたある日のこと、私の元に日向から写真が送られてきた。
『か、ッ……!!』
千堂「どーした?」
『日向のウェディングドレス……可愛すぎる』
千堂「何だ、橘か」
たまにこうして奇声をあげる私に気付いて、こちらへ寄ってくる敦。だけど大抵そういうのは可愛らしいものだから、いつも何だ……と小言を言って戻っていく。
胎動を感じることが出来るのだってまだまだだし、それを楽しみにしているのかと考えたら何だかそんな敦も可愛く見えてきた。
千堂「おい、なんか失礼なこと考えてねえか?」
『そっ、そんなことないよ!?!』
千堂「ほーら、怒らねえから言ってみろって!」
『敦、かわいいなって思って…………』
正直に言うと、彼は一瞬悩んだ顔して私の頬を両側から引っ張った。
『お、おこらないっていったのにぃ!』
千堂「別にぃ?怒ってませんけど?」
『んう、それはおこっれます』
びよん、のびるほっぺを愛しい瞳で見ながら、私の変な顔に笑う。
『びゃ、』
千堂「はい、終わり」
『も〜、ほっぺ伸びたらどうするの!』
千堂「別に伸びても良いだろ?」
減るもんじゃねえし、とニコニコな笑顔でやっていた作業に再度手をつけた。なんだかそんな時間が愛おしくて、私もたまらず心地の良い気分になる。
妊娠中はつわりがきたり、不機嫌になったり、色々私たちの関係を悪化させてしまう原因になるのではないか……と心配するようなことが次々に起こる。
けど、どれだけ期限の悪い私を見ても彼だけはいっつも私のいちばんの味方で居てくれた。
それがどんだけ心強くて、ありがたくて、ひとりで涙流してたってことはきっと知らないんだろうな。
千堂「なぁ、何」
『なにが?』
千堂「俺ンこと見すぎ、流石に恥ずかしいんだけど」
『ふふ、やっぱりかっこいいなって思ったら目が離せなくなっちゃった』
子どもが産まれても、こうやってイチャイチャし続けるカップルでいられるかな。
私、敦と過ごすこういう軽くて甘ったるい時間が大好きなの。
もう付き合ってからの年数は両手を使うぐらいにはなったし、結婚してからも何年か経っている。
それなのにまだ抜けないウブさというか、初心を忘れない、というか……
お互いがお互いのことを大事に、愛しているより前に大好きだって気持ちのあることを感じられるこの時間が、私は大好きだ。
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晴(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜!!あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです!!!!ありがとうございます!!!!!!! (11月15日 22時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - (続きです)文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました!これからも頑張ってください! (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして!今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭(長くて入らないので次行きます) (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年10月17日 4時