200 ページ20
*
それから2年が経ち、友人から結婚式の招待状が届いた。
『ついに2人も結婚かぁ〜』
千堂「あれから12年か、橘も良く待ったよな」
『若かったからね、みんな』
千堂「で、今日はその橘とご飯行くんだっけ？」
『そう！』
千堂「無理だけはすんなよ？いーな！？」
『分かってるってば』
千堂「送ってく？」
『大丈夫、1人で行けるよ』
家の近くで日向と待ち合わせをしていると言えばようやく諦めて折れてくれる。
そんなふうに彼を窘めて、私は日向との待ち合わせ場所へと足を進めた。
日向「ごめーん、お待たせ！！！」
『いいよいいよ、それよりもうビックリしたんだからね！？
いきなり招待状なんて寄こして、敦も驚いてた。武道に文句言っといて、だって伝言！』
日向「今年絶対結婚するとは決めてたけどいつするかは決められて無かったからね……
ビックリしたならサプライズ、ってことで！」
『武道だったら怒ったけど日向だから許す！！！』
前々から気になっていたスイーツのあるお店に入って、それぞれ食べたいものを注文していた。
日向「にしても、A色々気にしなくて大丈夫だった？
ここ喫煙席もあるし……」
『大丈夫、換気扇しっかり回ってるしこれぐらいならね』
日向「2人目、だもんね」
そうやっていたずらっ子のように笑う日向の優しさや無邪気さで、私の心の奥底に渦巻いているもやもやが取り払われていくようだった。
変な言い方だけれど、本当にそう思うのだ。
『そう、2人目！！』
日向「今何週だっけ、具合は大丈夫？」
『もうばっちし！
まだ全然だよ？えとね、確か、3週か4週……かな？
あ、明日で丁度4週かな』
日向「じゃあ生まれるのはヒナたちの結婚式終わって、大分あとだね」
『そ、まだまだ！』
日向「ってことは……やっぱりその、つわりも来るの？」
『今はまだ大丈夫だけど、今回はどうなるかな……
ちょびっとだけ怖いかも』
自分の身体の中で新しい命を育てる、ということ。
それがどれくらい不思議で難しいことなのかは分かってる、つもりでいる。
けれど、一度それを失敗している身体にまた新しく宿ってくれたこの小さな命の灯火を、今度は消さないようにと、そう強く思うようになった。
日向「Aは結婚して、子供が出来て、どんどん綺麗になるね」
『え、そう……？』
日向「うん！
だからヒナもこれからの人生がもっともっと楽しみなんだ！」
辛いこともあるけれど、どんどん変わる私を見ていたら大丈夫な気がしてくるんだって。
これ以上に嬉しい言葉はないよね
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
晴(プロフ) - ぼほほさん» たくさんのコメントありがとうございます〜！！あっくんはきっと一途で真っ直ぐな男の子なのでこんな結末になってごめんの気持ちですがそう言って貰えて嬉しいです！！！！ありがとうございます！！！！！！！ (11月15日 22時) (
レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - （続きです）文章の間隔とかが私的に読みやすい間隔でぐんぐん読めました！これからも頑張ってください！ (11月15日 15時) (レス) id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
ぼほほ(プロフ) - はじめまして！今まで陰ながら応援していました。『実らない恋』お疲れ様です。最高でした…。敦くんとの夢小説は初めて読みましたが、ハマってしまいました………HALさんの一途な敦くん完全に惚れました😭（長くて入らないので次行きます） (11月15日 15時) (レス) @page49 id: 8104d71460 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年10月17日 4時
