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その哀しそうな顔、あんまり見たくないなぁ。
千堂「つか、マジでその無防備さどうにかなんねえ訳？」
『え、何がよ…』
千堂「首元！」
首元………まさかっ、！！？
『あ、あぁ、これね。』
千堂「何」
『アイロンだよ、ヤケドしちゃったの』
千堂「髪巻いてねえのになんでヤケドすんの」
『昨日のだし。』
千堂「昨日は無かっただろうがよ、体育一緒だったし髪結んでたじゃん。」
『あっくん、そんなとこ見てたの…？』
千堂「ばっ、！！？悪いかよ！」
彼は一気に顔を赤くして言い訳さがし、あたしも同じように言い訳を探すんだ。
首元に手を当てて、恐らくこの辺りにあるかなとか考えながら。
「何、オレだけ仲間はずれ？」
「た、タクヤ…」
「はいこれ、取れたよ」
後ろから聞こえてきた声と、振り返った先に差し出されているマスコット。受け取ろうとするとヒョイと掲げられて、取れない。
『え！』
タクヤ「俺にも教えてほしいな。Aの口から。」
ニッコニコしてるんだけど、凄く圧があって、もう今すぐにでも逃げ出したいぐらいです。
どうしよう、彼氏がいますって…嘘はつきたくないけど、それしか方法無いよな。けど、2人は私がまだ武道が本当の好きな人だと知ってる、よな。
『……白状します、』
タクヤ「ん、いい子だ」
『ママかよ』
タクヤ「何？」
『なんでもない、です。』
『あの、ちゃんと言うので場所変えて欲しいです。』
千堂「場所変える？どこがいいの。」
『えと、ウチ……とか。人がいないところがいい』
こんな時でも私の希望を優先してくれる2人には、いつまで経っても甘えてしまう。
私が言った通り、2人は家まで来てくれた。
いくらザワザワしてるからといって内容が内容だし、人目のある場所で言葉にするのは嫌だという倫理観はまだ持っている。
玄関の前で家の鍵を取り出している途中、あっくんが物凄く嫌そうな顔をしながら「今日は半間出てこねえよな」なんていうから、面白くて笑ってしまった。
そういえば、あっくんを家に招くのはその日以来か、嫌な顔にもなるね。
そんなあっくんの気持ちとは反対に、私はあの日のように扉を開けたら背の高い彼が迎えてくれたら良いのにとか思ってる。
『いないよ、多分ね。』
ガチャリ、鍵を開けて2人を中に入れた。
当たり前といったら当たり前なんだけど、2日帰ってない家からはちょっと生活感がなくなっている。
『座って、なんかお菓子だそっか』
適当な袋菓子と飲み物を持ってリビングのテーブルに向かい合う。これはもう一番したくなかった三者面談だ。
「で、話聞きたいんだけど？」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年7月8日 22時
