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「おーいA、ホームルーム終わった？」
チャイムと同時に教室のドアを開けて入ってくる、終わってなかったらどーするのよ全く。
『あ、タクヤ！終わったよ〜』
タクヤひとりで私の教室まで迎えに来てくれたようだ、あっくんは先に下駄箱向かってるって。
千堂「今日、どこ行きたいんだっけ」
『えっとね、ゲームセンターに新しくマスコットが入荷したと聞いたのでそちらへ！！行きたいなと、と思ってます！』
タクヤ「マスコットか、いーね
ていうか、どこでそんな情報仕入れてくるの。」
タクヤは笑いながら私を茶化す、あっくんもいつも通り私とタクヤの会話に耳を傾けながら反応したり、時折ツッコミを入れてくる。
『あーーー！あった、あれ！』
ゲームセンターのある通りを歩くと、目的地に近づくと外からでも見える位置にお目当てのプライズ品を発見した。
タクヤ「難しそうだね」
『うん、ユーフォーキャッチャー凄い苦手』
千堂「ま、まさか……」
『取ってもらおうかと思って！！！』
「「やっぱり」」
そう、我ながらいい作戦だと思うんだよね。
2人は頭抱えてたけどきっと私の下手さ見たら変わってくれるでしょう！ということで、5回ばかりチャレンジして見せた。
『げぇ、これホントに取れんの？』
タクヤ「ご、5回やったよね？？」
『うん』
千堂「1回も、掠らなかったな。」
『うん』
『だから2人におねがい、どうか！人助けだと思って！』
千堂「いや、そんな頭下げなくても」
タクヤ「どれが欲しいやつ？」
『あの奥にいる、赤い子』
タクヤ「じゃあまず俺が」
そうやってタクヤは器用にボタンを押しながら機械を操っていた。おぉ、すごい。ちゃんと掴めるんだ、あれ。
今日は髪を縛っていないから、流れてくる髪が鬱陶しくて耳にかけながらタクヤの様子を見ていた。
けどそんな何気ない仕草で、またあっくんに隠し事がバレるとは思いもしなかったのだ。
千堂「なぁA、ここってどっかに自販機あったっけ？」
『えぇ、分かんないけど奥の方にあるんじゃない？』
千堂「じゃあ探すの手伝ってくれよ、な」
タクヤ「え、ちょっ、俺は……？」
千堂「スグ戻るから！」
『え、わっ！』
腕を引かれて、奥のコーナーにやってくる。
周りはメダルゲームとかスロットでうるさいのに、あっくんのこちらを見る真っ直ぐした瞳がちょっと怖かった。
「最近、半間と会った？」
聞きたくないけど知りたい、そんな顔で問いかけてくるんだ。
『ううん、会ってないよ。何かあった？』
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作者名：HAL | 作成日時：2023年7月8日 22時
