実らない恋 4 (ページ5)

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ｼﾞﾘﾘﾘﾘﾘ !!!!

けたたましい音、恐らくアラームの音で目が覚めた。

『……え、誰ッ！？』

「ん〜、もう起きたの？早くねぇ？つかちゃんと寝た？」

『(あ、なんだ。蘭さんか。)』

アラームを止めて今の時間を見た、もう朝だ。

『あの、私今日も学校行かないと』

「ガッコー？行かなくて良くね？」

『ダメです、やりたいことがあるので。』

「じゃあ俺もやりたいことがあったらやっていーの？」

『……散々したじゃないですか』

その美形でクスクス笑わないでほしい、ちょっと本気で心が揺れる。けど、私はとりあえず高校皆勤賞目指してるので、ってなんとか説得して灰谷家から脱出した。

『っ、セーフ！！！』

松野「ギリギリアウトじゃね？ホームルーム終わったけど」

『え、ウソ！！！』

松野「でも先生に言っといたから、なんとかなるんじゃね？」

『わ、マジ！千冬最高。ジュース買ったげるよ選びな』

そんな軽い気持ちで話が出来る千冬と、同じクラス。
松野と三輪だから席も前後でずっと一緒にいる、かも。あれ、一緒にいることが多い程度かな。

松野「つか、今日髪の毛やってねえんだ？」

『あー、そう。ちょっとバタバタしてて』

松野「ね、俺やってみてもいい？」

『ん？いーけど、出来るの？髪抜かないでよ？』

頑張る、とひとこと言って私の髪の毛をいじる。

何だこれ！？って結局髪の毛を櫛でといたり、指にまきつけてクルクルするだけで終わった。遊んでただけね、つまり。

松野「あやべ、先生来た」

『準備してなかったのね』

今の授業はどの教科も中学の復習がメインだから、まだつまらなかったりする。

先生の話をどこか上の空で聞きながら、私は昨日のことを考えていた。

『(蘭さんって、どこか修二くんと似ていると思っていたんだけど、全然違かったな…)』

情事を思い出して、ぽけっとしていた。
授業中に何考えてるんだって話は置いといてください、今日の放課後はあっくんとタクヤと約束してるから考える時間ないんです。

『(……修二くん、今どこいるんだろう。)』

いつかの日から、パッタリ会うことが無くなった。
今はひとりで逃亡生活を続けてるのか、はたまたキレーな女の人の家に転がり込んでるのか。

どっちでも別に驚かないのが、嫌なとこだなぁ。

『(うーん、でも私も人のこと言えないよなあ。)』

『あいたっ、！！！』

松野「授業終わったぜ、考え事？」

『そう、そんなところ』

「最近のオマエ、なんか一気に大人になってるみてえで寂しいな。」

そうやって、千冬はただただ哀しそうに呟いた。