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文化祭の一日目が終わり、着替えるのも面倒になって私を含めた友人の何人かは衣装をそのまま着て帰ることにした。
家に帰ったらまず服を洗ってご飯を食べて、あ、待って家には修二くんがいるのか。
それなら今日の晩御飯は前に食べたいと言っていた生姜焼きにしよう。
適当に買い物を済ませて家に帰る、なんだか主婦みたいな生活をしてる私。それとも新婚さんかしら。
『たっだいまーーー！』
シンとする家の中、少し遠くの方から水の流れる音が聞こえてくるから、恐らくシャワーを浴びているのだろう。
買ってきたものを冷蔵庫やらなにやらに詰めて、服を選択して風呂場にいるであろう彼に声をかけた。
ご飯を作り始めて、豚肉をフライパンに並べて火にかけた時、生暖かい人の温もりに包まれた。
『体拭いて』
「メンドい」
『私が風邪引いちゃうから。』
「俺が介抱してやるって」
何度か文句と言い訳を繰り返して、結局は私が拭くことになる。いっつもやってもらえるからたまには、やらないとだめか……
『だーーー！もう！』
ケラケラ笑いながら修二くんは腰を屈めた、それにちゃんと応えるように彼の髪の毛から水気を取った。
半間「飯はァ？」
『豚肉の生姜焼きとお味噌汁、あと野沢菜の漬物』
半間「うまそ」
『美味しいと思うよ。はい、できた！』
半間「ありがと」
『わっ、』
ちゅ、と額にそっと触れるだけのキスを落としてまたくるりと後ろを向いた。
『いただきます』
ご飯を食べ始めてから少しした頃、修二くんが口を開いた。
半間「明日文化祭終わったら来週休み？」
『……うん、けどクラスの子たちとご飯行ったりするかな。』
私がそう言うと、彼は分かりやすく期限を悪くした。
せっかく独り占めできると思ったんだけどなぁ、と口を尖らせてはまた上機嫌になる。
半間「けどAチャン、俺に触られたらもうすぐでろでろになっちまうよな？」
『そ、れは……』
半間「嘘嘘。」
軽く笑いながら、嘘か本当かも分からないそんな表情をしてご飯を口に運んだ。
『明日も朝早いから、今日はご飯食べたらすぐ寝ちゃうね。』
半間「ン」
『……よし、ごちそうさまでした。』
修二くんに宣言したとおり、ご飯を食べ終えた後は光の速さでお風呂に入って部屋でのんびりする。
明日も演劇の発表があるから、と台本にもう一度目を通してベッドに横になる。
『(明日もがんばろ……)』
うとうとする暇もなく、まるで白雪姫のように深い眠りについた。
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作者名：HAL | 作成日時：2023年7月8日 22時
