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『……まって、むりむり、もうダメっ！』
「んや、まだ行けるっしょ♡」
興が乗ってきた頃、といっても修二くんのテンションがこういう風に上がる頃には私はヘトヘトになる。
そんなとき、玄関のインターフォンが鳴った。
『っ、だれ……ッ』
「あー、誰だろうな？」
来客がいるのは確かだ、けれど修二くんはそんなこと気にも留めずに動き続ける。そして私に欲を吐き出して満足したと思ったら、窓から玄関の方を覗いた。
「Aちゃんの友達だなぁ、ありゃ。」
『友達…？』
「あーダメダメ、その姿んまま出たらきっと怒られるぜ。あいつきっとAちゃんのこと好きだから。」
そう言われて思い当たったのがひとり、ついこの前私に告白をしてきた相手だった。
『ま、さか…あっくん？』
「けど今はオレの時間だろ？もっと楽しませろよ」
『ちょ、っと！！窓あいてるっ！』
「Aちゃんが声我慢すればいーだけっしょ？」
そんなことを言いながら、余裕の笑みで私に覆い被さるのだ。意地が悪いと言ったらそれまでだけど、今日の修二くんはどこか余裕の無さそうなかんじ。
「Aちゃんは、オレだけ見てて。」
『う、んっ……』
「いー子。
までも、他の男と寝てるみたいだし、今日は優しくしねえからね」
『やだっ、やさしくないのはこわいよ。』
ドロドロにとかされて、来客もいなくなったころに修二くんがそんなことを言った。たしかに、男性は女性が他の人と行為をすると気付くらしいと、どこかで聞いたことがある気がする。
『ごめ、なさい……ｯ』
「今日はとことん付き合ってもらうぜ、Aちゃん」
そうやって私にキスを落とす彼に、私はどうやら依存しているらしい。だって、そうだろう？
彼が以前言っていたことと少しだけ似ているけど、修二くんのいない人生は少しモノクロに感じていたんだ。
たしかに、武道やあっくん、千冬やルナマナちゃんと過ごす日は楽しくて、こんな日がずっと続いたらいいのにと思う程度には大事な人たちだ。
けど、それは修二くんに対する感情とはまた違うものだ。
修二くんのいた日々は、どうしてか毎日キラキラしていて隣にいると気分はいつもフワフワしているの。
擬音ばかりでちょっと分かりにくいかもしれない、でもこれが恋だなんだと言うのなら、それにしては如何せん歪な形をしているのだ。
「Aちゃん、俺のこと好き？」
『うん、すきだよ』
半分ぐらい回っていない頭で彼の質問に答えた。彼によると、私ははじめから彼に名前を呼ばれるのが好きらしい。
名前を呼ぶと、甘い言葉を囁くと直ぐに体が反応するとニコニコしていた。
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作者名：HAL | 作成日時：2023年7月8日 22時
