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「おはよ〜……ん？なんかいつもより気合入ってる？」
『あ、これはあっくんがやってくれまして……』
昨日のことを思い出しては少しボケっとしてしまう今日の私。やっぱり昨日の今日でパッと切り替えられるはずも無く、前に座る千冬に何度も様子がおかしいと言われてしまった。
『うーーーーっ！！』
松野「どした、お前マジで様子おかしくて怖いんだけど。今日のバイト辞めとく？」
『バイトはちゃんと出来るよ！』
松野「ならいーけど、よし、飯食い行こうぜ！」
『あ、えっと、今日は私…別で食べよっかな！』
気まずい気まずい、気まずすぎるっ！！！
『はぁ、結局ここへ来てしまいました』
学校の中でもよく落ち着く場所のひとつ、そうここは保健室。
先生からはご飯を食べる場所じゃないと言われちゃうけど、それでも相談事です！って言えば許してくれるの。
「で、相談ごとって？」
『あ、えっとぉ……実は告白をされまして、』
「別に珍しいことじゃないでしょうに、嫌味？」
『違うんですってば！！！
あの、幼なじみで、ずっとそういう感情は抜きに思ってた相手で、その、何と言うか……』
「返事しろって催促されてるの？」
『いや、そんなこと無くてむしろ逆で、私のことを1番に考えてくれてる感じで………』
「いーじゃない、青春。」
『ねえそうじゃないんです！！！
それからちょっと気まずくて、授業に身が入らないっていうか……』
「あら、それは困るわね。」
勉強は学生の本分なのにって笑いながら言う先生、結構若めの女子でよく女子会を開いたり、私はたまにこうやって恋愛相談をしている。
『………嫌いじゃ、ないんです。
むしろ好きで、でも好きが違うから、どう接していいのか分からなくて。』
「ていうか、アンタ花垣好きだって言ってなかった？
橘には知られないようにしてるから、ここでぐらい吐き出しちゃいなよ」
『最近それもわかんなくなって来てて、好きってなんだっけ……みたいな。』
「重症ね、とりあえず甘いもん食べなさい。」
『えぇ、太る。』
「何言ってんの、女子は太れるうちに太んなさい！
三輪ぐらいならまだまだ細いんだから、ね！！
はい昼休みも終わります、教室戻る！じゃあね！」
そんな感じでバタバタと保健室から追い出されて私はとぼとぼお弁当を手に教室まで戻った。
さっきまでの会話が全部、当人に聞かれていたことなんて知りもせずに。
『千冬ぅ、今日バイト終わったら甘いもん食べよ』
松野「おぉ、いーけど。太るぜ」
『いいし太っても。』
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作者名：HAL | 作成日時：2023年7月8日 22時
