実らない恋 4 (ページ2)

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高校に入学してから大体１ヶ月ぐらい、高校生としての生活にもだいぶ慣れ始めた頃私は放課後友人と遊んでいた。

「あ、やっば！カレシから電話きた、ごめんまた今度でもいいかな！？」

『え？うん、全然いいけど。』

「マジで絶対埋め合わせする！オススメコスメとか絶対選びに行こうね！」

『気にしなくていいよ、彼氏さんに宜しく？いやこれはちょっと違うか。……また明日学校でね！』

今日の放課後に遊ぼうと約束していた女の子、恋人との予定を忘れていたようで私はひとり取り残されてしまった。

けど、久しぶりにのんびりしたい気分だったしちょうどいっか！

渋谷から離れ、いつかエマと日向と3人できたカフェの近くにいた。今日は本当だったら、そのカフェに行ってフェアがやってるマンゴーパフェを食べる予定だった。

『……たい焼き食べようかなぁ』

甘いものを食べる予定で、口も甘いものを欲していた。
最近はちょっと勉強頑張ってるし、今日ぐらいは甘いもの解禁しちゃっていいよね…！

ブラブラ歩きながら、たい焼きが売っているお店を探していた。しかし全然無いんだよなこれが。

流石は六本木？

屋台を見つけるのは諦めて、コンビニに入る。
ここに無くても何軒か回ればきっとどこかしらにあるでしょう。

『あ、あった……！！』

そうしてコンビニをハシゴしまくること5軒目。
少し暗い通りにようやく見つけたコンビニで、目当てのたい焼きを発見することが出来た。途中どら焼きで妥協しないでよかった。

とはいっても、暗い通りはちょっと怖い。

私のような学生服を着た女の子なんて何処にもいないし、マトモそうな人は少ない。

東卍の人たちや芭琉覇羅の人たちといたお陰で、その辺が少しアバウトになっていたかもしれない。

ｶﾞｯ

早めに表通りへ出よう、そう考えていた時だった。

思い切り肩を掴まれてしまって、驚いて声も出なかった。私の肩を掴んだのは短髪の人だ。

目の前の男は私の名前を繰り返し呼んでいるのだけれど、こんな美形な短髪、知り合いにいたかなぁ……

『あ、の……どちらさま、で。』

「んー、流石に分かんないか。」

『あ、待って、どっかで聞いたことある声してますね』

「鑑別所で髪バッサリ切られちゃったから、前みたいに出来ないしね」

『てことは、もしかして……』

私が彼の正体に気付いたことに彼も気が付いて、どうにもご満悦な様子。そんなにニコニコされたら逆に裏があるんじゃ？って思っちゃうよね。

「ちょっと着いてきてよ」

と、彼は強引に私の腕を引いて歩いた。