96 ページ6
その日私は、今までで一番美味しいご飯を作ることが出来たと思う。
殴られるかもとか罵声浴びせられるかもとか、そういう心配はもう一切無くなった。柴大寿は聖夜を境に魂が浄化されたような、そんな不思議な感じがするのだ。
まあ、怖いところは相変わらずではあるんだけどね。
柴「旨かった、また連絡する。」
『……気が向いたら、いいですよ。』
溝中の知り合いに見られたら度肝を抜かれてしまうかもしれない、まさかあの柴大寿が私の家に出入りして、なんならご飯食べて帰ってるんだもんね。ちょっと面白い。
それから、私は彼の使った食器や準備したご飯をタッパに纏めたりしていた。
何故か最近はとても来客が多くて、心の休まる暇がない。
『わ、どーしたタケミチ。』
花垣「話、聞いてくれるかっ!?」
『ん、とりあえず入りなよ』
以前とはまた違った様子の武道だ、なんだろう。
花垣「俺、この前Aに相談した時、ヒナと別れる時にAの名前を出してもいいって言われて、結局出しちゃったんだ。」
『……へぇ』
私もその場にいたから知ってるよ、とは言えず。
適当な相づちを打って、武道の話を聞いた。
花垣「それで、1回は別れたんだけどさ。」
『うん』
あー、そう来たか。
花垣「仲直り、出来たんだ!!!」
『そっか』
花垣「名前出しちゃってゴメン、って言いたかったのと、話聞いてくれてありがとうってのを向こうに帰る前に伝えに来た!」
『…向こう?』
花垣「あいやっ、なんでもない!!!コッチの話!」
『まあ、良かったね。』
どう足掻いても、私はアンタの彼女にも、好きな人にもなれない。
その笑顔しか、向けてくれないんだね。
花垣「っ、それだけ!!!!じゃ、またな!!」
そして、自分の言いたいことを言い切った武道は、随分と忙しない様子でまたどこかへ走って行った。
『……ねぇ、話、きいてよ。』
つくづく思う、私はクズな人間なんだと。
いつも頑張っているつもりなのに、最後は結局貴方の与えてくれる甘い蜜に群がってしまう。
「オッケー、今ヒマだし、すぐ行くな。」
324人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時