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彼らがやったこととか、どうこうはもう知らない。

今は私が貰った分の優しさを返したいし今度は私があげたい。


"「ただいま、電話に出ることができません。」"

『……うー、やっぱり繋がらない。』


番号は知っているから繰り返し何度か掛けてみた。
けど、そこからあの優しい声が聞こえることは無い。それもそのはず、今は関東事変と呼ばれる先の抗争の共犯として追われている身なのだから。

『使う気は無かったけど、これを使う日が来ようとは。』

いつか渡された修二くんの家の合鍵、こんなときに使うことになるとは思わなかった。



ガチャリ

玄関を開けると、靴が何足か脱ぎ捨てられていた。

しかし家の中に生活感はなくて、冷蔵庫の中身も空っぽ。けど、お気に入りのタバコとか音楽プレイヤーとか、取りに戻ってきそうなものはいくつか置いてある。


合鍵を使って彼の部屋に入ったことを連絡し、ひたすら待っていた。

もしかしたら、夜になって暗くなるのと一緒に帰ってくるかもしれないと思って。



でも、修二くんは帰ってこなかった。

それから一日、三日、一週間、一ヶ月。暇があったら家に通った。

携帯は多分持っているはずだから、逐一連絡は入れて、ゴミを出したり掃除をしたり。ホコリを被っている所が多くて、掃除のしがいがあった。



私たちは来月、4月から進級して中学3年になる。

全然実感湧かないし、未だにエマがいないこととかは信じられない。けどそれを思う暇もないぐらい、受験の勉強が大変なのである。


あと変わったことといえば、東卍が無くなったことだろうか。

佐野くん曰く全盛期の今終わらせる、とのこと。
愛美愛主、芭琉覇羅、黒龍を倒し天竺との抗争も実質東卍の勝利のようなもの。これ以上、上にチームはいないらしい。

その後から、佐野くんはみんなと距離を取るようになった。けど、私も人伝えに聞いた話だからあまり詳しくは知らない。


『…………ねむくなってきちゃった』

ベッドでゴロゴロしながら考え事をしていると、外も暗くなり始めたのと相まってか、急に眠気に襲われた。


『(たしかに最近勉強漬けの日々が続いていたかもしれない)』

修二くんのベッドだし、もう慣れたもんだ。寝てしまおう!



『…………』スゥ


それから私はほんの30分もしないうちに眠りについた。
そしておよそその2時間後、玄関の扉が音を立てた開いた。




『う、わっ、寝てた!!何時だっ、?』

「今は8時半だよ」

『……!?』

いるはずの無い人の声、あの日からずっと会いたかった。




『おかえり、修二くん!』

「久しぶり。」

彼は、以前と何ら変わらない笑顔を向けた。

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ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時

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