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『…………なんで、』
私は、とにかくもう顔を合わせたくなくて、とりあえずみんなを家から追い出した。椅子から動けないまま、 稀咲くんとここで話したことを思い出す。
『……いくらタケミチでも、私の友達を…人を、死んで当然って言うなんて』
稀咲くんが取り返しのつかないことをしたのは、私もよく分かってる。さっきも話した通り、それについては解決のしようがない。
当事者は2人とも亡くなってしまって、稀咲くんはあの日だけで合計2人殺めた。
あ、ちなみに鶴蝶くんは無事らしいです。
『分かってくれないよな、私の話。
今思い返してみると支離滅裂だった気がするし、稀咲くんの擁護ばっかしちゃったかも。
でも私、ほんとのことしか話してないよね。』
腫れて赤くなりそうな目はまず冷やせと言っていた。
泣きすぎで目が腫れてしまうのは、流れる涙が刺激となって目が炎症を起こしているからなのだという。これは稀咲くんが教えてくれた。
『あーあ、もう。
せっかく稀咲くんに勉強教えて貰ったら頭良くなれると思ったのにな。』
今はもう叶わないことを考えて、元気に振舞って寂しさを忘れなきゃ。
私のやさしさを埋めてくれる人は、もう居ないんだから。
たまたま付けたテレビでやってるニュースに目をやりながら、そんなことを考えていた。
"「昨晩埠頭で起こった一連の事件に関与した疑いがあると見て、警視庁は1人の少年を追っているとの事です。」"
『…………』
ちょっと縁起こそ悪いが、文字通り死んだように眠り、翌日はまたインターフォンの音で目が覚めた。
尋ねてきたのはあっくん、今日はエマの葬儀があるからそれに出席するべく私を連れ出しに来たという。
千堂「ここで逃げたら一生後悔する。」
『うん』
千堂「何か辛いこと言われたりしても、俺は絶対Aの味方だから。」
俺が守るよ、その言葉をお守りにして私は葬儀の行われる場所まで向かった。
当然、顔をあげられる訳もなく時間が過ぎていくのを待っていた。
「Aは、いるだけでいいんだ。」
あっくんは式が始まる前にそう言ってくれた。
思えば初めてエマと出会った日、私はあっくんと一緒に居たっけ。
"「敬語なんてナシ!
今からウチら友達ね!!あ、連絡先交換しよ」"
"「ウチもここ大好きなんだ。
辛いことがあると、よく来るの。」"
"「久しぶりに会えて嬉しい!」"
「エマさんのことを、好きでした。」
龍宮寺くんの言葉に思い出すのは、笑顔のエマばっかりで。
『……っ、えま、会いたいよ』
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ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時