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『しゅじくんっ……ぐるし、ッ』
ギリギリと音がなりそうな勢いで、ゆっくりゆっくりと私の首を絞める。
あ……わたし、死ぬんだ。そっか。
『ごめ……なさい、』
ボロボロと涙を流してるおかげで、目の前の修二くんがどんな顔してるのかも分からない。いやでもきっと、あんまりキョーミない顔してるんだ。
どうせ死ぬんなら、好きって言えばよかった。
思いっきり振られて、その後はエマとかタクヤとかに慰めてもらいながら涙が枯れるぐらい泣いて、美味しい甘いものたくさん食べて………
そうだった、エマはもういないんだ。
諦めかけたその時、遠くの方から雄叫びと足音が聞こえてきた。
「うおおおおっ!!」
一瞬宙に浮いたかと思えば、フワッと浮いた心地がして体が吹っ飛び、空気が肺を満たす。
『かッ、はあ……っ、死ぬかと、死ぬかと思った……』
「大丈夫か、Aっ!!!」
『ハァっ、……ぁ…』
視界がまだぼやけてる。それに、手の震えが止まらない。
死の間際ってこんなになるんだ、初めて知ったや。
『たけ、みち……?』
「………」
目の前の彼は何も言わず、ただ私のことを抱きしめてくれた。
「大丈夫だ、大丈夫。」
私を安心させるように思いっきり抱き締めて、ひたすら背中をさすってくれるのだ。安心、したのだろうか。
『………』
「まぁた相談も無しによ、自分で突き進んで。」
あれ、武道じゃない。
「相談してくれるっつうから俺ずっと待ってたのに結局天竺のトップク着てるし、稀咲殴ったと思ったら半間に首締められてっし。」
『……ごめんね、あっくん』
「謝るなって、ダチだろ?」
もう既にボロボロなのに私に向けるのはそれを感じさせないぐらいの笑顔で、不思議と重なってしまったんだ。
「ダチのこと心配すんのも、守んのも、当たり前だろ!」
あっくんは、修二くんがどれぐらい強いのかを知ってる。
自分じゃあ到底敵わない相手だってことも、多分知ってる。
だから、どうしたら勝てるかも色々考えてるだろう。
修二くんのパンチやキックを何とか避けて、反撃の隙を探しているあっくん。
ふたりの間には、圧倒的な戦力差が見えた。
『やめて、もういいよあっくん、このままじゃあっくんが……っ』
それから何分か経ったとき、全然諦める様子のないあっくんに私が間に入ることになった。
『修二くん、もうやめて…あっくんは、大切な友達なの。』
半間「ふぅん、で?」
『私は、』
どうすれば……いいんだろう。
考えをめぐらせているとき、埠頭に大音量の破裂音が響いたのだ。
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ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時