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『(あそこにいるのが、私だったら。)』
いっつもその場面を見て悪い私が出てくるのを散々後悔するくせに、現場だけはずっと見ちゃうの。
馬鹿だよな、わたし。
でも、気になるから。
もし少しでも、私が付け入る隙があるんなら、私はもうそこを逃したくないから。
「一つだけ教えて?
未来のタケミチ君は、もうヒナにプロポーズしましたか?」
2人の死角にいるから私のことは絶対に見えないはずだけど、私からも2人のことは見えない。
武道が今どんな顔をしているのか、好きな人にはどんなやさしい顔をするのか見たいのに。
「いやっ、あの……まだ、だけど…
でもあのっ、オレはずっと結婚出来たらなって思ってて…!!!」
「ふーん。……それって、プロポーズ?」
「……うん!」
あぁ、でも見なくても分かるかも。
決意した、強い目をして最高にカッコイイ顔してるんだろう。
「じゃあヒナ、死んでもいいよ。」
その言葉が、かろうじて繋がっていた私の理性や情をプツンと切った。
なんで、なんでそんなこと言うの。
私は、生まれたときから一緒にいるようなもんで、ちっちゃい頃ここでからかわれてたのを武道が守ってくれてさ、ずっと一緒にいるうちにこれが恋だって気付いたんだよ。
だから、毎日武道の前では可愛い私でいられるように、素敵な私でいられるようにずっとずっと努力してたの。
私の方が先に好きだったのに。
"死んでも、いいよ"
それは、簡単に言ってるわけが無いことは頭では理解してた。本気で言ってるんだろうなって。
でも、そんなこといわないでよ。
こんなこと考えてる私が、もっと惨めな気持ちになる。
ヒナはさ、ずっと武道と付き合ってるから知らないでしょ。
好きな人が、大好きな友達と付き合った時の寂しさとか、誰にもぶつけられないモヤモヤとか、どうしようもないから他の人の優しさに甘える惨めさとか、全部。
私とヒナ、何が違うの?
同じ年でさ、中学入ってからは同じクラスで勉強は私の方がちょっと苦手だけど、運動は私の方がちょっとできるんだよ。
ヒナだってすごく可愛いけどさ、私だって…負けてないじゃん。
努力はたくさんしてきたと思ったのに、結局私は人に甘えることしか出来なくて、1番になれないことを突きつけられて、いつも泣いてるんだぁ。
武道も日向も、知らないでしょ。
私がいっつも泣いてるの、知らないよね。
だから、ちょっとぐらいはさ、私の気持ちも分かってくれていいよね。
『大好きだって言ったら、貴方はどんな顔するんだろうね。』
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ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時