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「え、本当に送らないでいいの?」
『うん、この後人と会う予定ある。』
「そっか、じゃあ気をつけて帰れよ!」
『ありがとう』
その日は千冬の家がある団地の下で分かれ、私はそのまま電車を乗り継いで横浜まで向かった。
予定こそなかったが私が会いたい時はいつでも呼んでいいと言ってくれたから、私は今日もその言葉に甘えて彼の元へ行くのだ。
『あ、いた!』
待ち合わせをした場所に向かうと、一際目立つ影がひとつ。私の待ち合わせ相手だ。
周りの目なんて気にもせず、駆け寄り彼に飛びつく。
「ばはっ、Aチャンいっつも飛んでくるけど俺が捕まえらんなかったらどーすんの!」
『だいじょーぶ!修二くんなら絶対に掴んでくれるもん!』
「すんげぇ信頼されてんな、オレ」
『うん、してる』
今日は特別甘える日、決めてるんだ。
千冬や武道、あっくん達と会ってしまうと決意が揺らいじゃうから。度々こうして心ゆくまで甘やかしてもらう。
「なんか食う?」
『うーん、小籠包?』
「いーよ、食おう」
傍から見たらただの仲睦まじいカップルに見えるだろう、だってもうそれはしょうがない。
『ていうか修二くん、それ新しい特攻服?』
「そ、似合ってる?」
『芭琉覇羅の時のMA-1の方が好きだったなあ』
お揃いだったし、と添えて言うとAチャンの分も貰ってやろうか?なんて言ってくる。
『じゃあ……修二くんとお揃いなら考えとく』
「そうだな、じゃ稀咲にでも言っとくか。」
この言葉が示す意味はもう分かってる、天竺の特服を着るなら私は東卍を裏切るということになるんだ。
でもさ、私は多分みんなといるより修二くんといた方が幸せなんだ。
こんな汚くて醜いドロドロした気持ちも全部包み込んで、キャンディみたいに甘い言葉で溶かしてくれるの。
他にいないよ、そんなやさしい人。
「今日はどうする、泊まる?」
『………どうしよう、かな。でも一緒にいて欲しい』
「ズリィな、Aチャン。」
今考えると、修二くんから直接告白されたことは無い。
不良とかそういう人の事情は何も分からないけど、もしかしたら修二くんカッコイイし普通にそういう関係の女の人はたくさんいるのかな?
でもなんか、それはやだ。正直、私だけが修二くんの特別がいい。
そんな事を伝えたら、貴方はまた目を細めて微笑んで"俺の特別はAチャンだけなのに"とかやさしい言葉をくれるんだろうな。
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ゆり(プロフ) - とりあえず、半間夢にしたいならそう書かないと詐欺になって通報されちゃうので気をつけた方が良いかと…もし何か夢主に考えがあるとしても、軽くでも前置きしとかないとすぐに通報しちゃう人もいるので気をつけてくださいね。長々と偉そうに失礼致しました。 (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - これのどこがあっくん夢なんですか?どう見ても半間夢なんですが…しかも夢主、ころっころチーム変えすぎて感情移入出来ないどころかイライラしてきます…前半かなり面白かっただけに今更の半間夢にショックデカい… (10月25日 0時) (レス) id: c94ec56f23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年6月20日 23時