195 ページ10
お肉料理が運ばれてきたあとはデザートだ。
先ほどのソルベも私からしてみればデザートだからちょっと得した気分。
小さな容器に詰まったベリーの美味しいスイーツ、初めて食べたようなとろける食感がたまらない。
『ご馳走様でした。』
三井「美味しかったな、」
『ハイ！！！』
三井「で、返事は？」
コースの全行程が終わり、机に残ったのはグラスに注がれたシャンパンのみ。
頬杖をつきながらこちらを見てくる三井さんが、どうにも画になってしまうので困る
『じ、実のところあまり考えられていなくてですね……』
三井「じゃあ、もっかいするか？」
『何を……？』
三井「告白。」
真っ赤なバラでも買ってよォ、って楽しそうに笑うの。
三井「Aには、感謝とか尊敬とかのそういう気持ちとか、他にも色んな償いきれないこととかあって、俺がAにこうして告白するのだって烏滸がましいとは思ってるぜ。
けど、好きなヤツは、自分の手で笑顔にしてやりてえ。」
『んふ、前言ってたやつだ』
三井「大分前だけどな」
その愛おしそうな瞳も優しい声も、その全部が私に向いてるんだって思ったらなんだかおかしくて、嬉しかった。
多分、世間ではそれを"好き"って言うんだと思う。
『もしかしたら、わたしも三井さんのこと好きかもしれません』
ちょっとぐらいは変に嬉しい顔でも許してね。
私ってほら、こういうの初めてだから。
三井「俺と、結婚を視野に入れてお付き合いしてくれませんか。」
『ハイ、いいですよ』
三井「………返品交換は出来ねえぞ」
『それはこっちのセリフです』
三井「ははっ！今さら俺が手放す訳ねえよ。」
湊A22歳、人生で初めて恋人が出来ました。
ねえお父さん、栄治、私いまホントに幸せだよ。
多分、これはきっと三井さんだから。
他の誰でもない貴方だからこんなに胸がドキドキして、夢見心地でふわふわしているの。
固く握った手を離さないように、私の横を歩いている。
『ん、お花屋さんだ』
三井「おー？ホントに薔薇買って帰るか？」
『え、いいですよお花は。
色々これから忙しいと思うから、お世話する時間とか疎らになっちゃうし』
三井「ま、そっか。」
不思議だなぁ、高校の時はこのドキドキも叶わないものだと思ってた。
だからチャンスはあったけど自分から遠ざけて距離を詰めないように頑張っていたんだ。
三井「おいA、酔ってるのか？」
『うん』
三井「ったく、タクシーでも拾って帰ろーぜ」
『やだ、のんびり帰りたいです』
三井「ワガママだな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 269人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シルビア★姉貴 - 晴さん» 💦💦（わざとじゃない事だけは分かって下さい…😣😣😖😖） (10時間前) (
レス) @page26 id: 71ed2dd613 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア★姉貴 - 晴さん» ごめんなさい…💦💦🙏🙏🙇🙇🥺🥺 (10時間前) (レス) id: 71ed2dd613 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - シルビア★姉貴さん» 誤字への指摘は有難いですが、幾つも送られると困ります。直したら非表示にさせて頂きます (10時間前) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年6月2日 21時
