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手術中、赤いランプが点っている。
私はただ、両の手を握りしめて、存在するのかも分からない神に祈ることしか出来なかった。
もしこれで栄治からバスケットが奪われるようなことがあれば、私は、彼は、生きていけるのだろうか。
ﾎﾟﾝ、と優しい音がして赤いランプが消えた。
手術が終わって中から医者が出てくると、その人は変わらず険しい顔をしたまま、栄治の容態を説明した。
「前十字靭帯断裂と右足首に、重度の捻挫が見られました。
他にも、アザや切り傷などの外傷が目立ちますがそれは時間の経過とともに無くなるので気にしなくても大丈夫です。」
『………そうですか。』
「怪我は深刻ですが、恐らくきちんと段階を踏んだリハビリを行えばきっと元の生活に戻ることが出来ます。
本人も麻酔がきれたら目が覚めると思うので、それまで付き添ってあげてください。」
『はい、ありがとうございます。』
この医者は、知っているのだろうか。
沢北栄治というバスケットボールプレイヤーは、世界で一番のプレイヤーになる男なんだってことを。
一般病棟の個室、随分と大きなベッドに横たわる栄治。
栄治に病院なんて、まるで似合わないのに。
『………ごめんね、えーじ。』
こうならないためにも、私がもっとしっかりと周りを見てあげるべきだった。あそこでダンクを狙うより確実な方法があったことを気づけなかった。
選手たちが混在していて、交錯する可能性を分かっていながら止められなかった。いや、コートの外にいる私たちにどうこうできる問題では無いけれども。
それでも、悔しかった。
布団から出ている手を握って、その体温を確かめて。
『栄治、ごめん。』
どうしても、何回も謝ることしかできなくて。
ただひたすらに、過ぎていく時間も試合の結果も気にせずに栄治の目が覚めるのを、ずっと待っていた。
それから何分、何時間経ったころだろうか。麻酔が切れたのか、彼の手を握る私の両手に僅かながら握り返してくる感覚があった。
『えっ、えいじ…起きた？』
うっすらと目を開け、部屋の明かりに眩しそうな顔をしながらパッチリと目を開いた。
「俺、どうなんの。」
ここで言うか言わないか、どうしよう、私には決断できない。
『………それ、今じゃないとダメ？』
弱虫な私を、どうか許して。今はダメなの。
「わかった、じゃああとで教えてね。」
ボロボロと涙を零す私と、それに呆れたようにそっと涙を拭う栄治の手。
『……ごめん。』
「Aが謝ることなんてなくね？」
優しさが痛くて、辛くて、父が来るのを待っていた。
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シルビア★姉貴 - 晴さん» 💦💦（わざとじゃない事だけは分かって下さい…😣😣😖😖） (9時間前) (
レス) @page26 id: 71ed2dd613 (このIDを非表示/違反報告)
シルビア★姉貴 - 晴さん» ごめんなさい…💦💦🙏🙏🙇🙇🥺🥺 (9時間前) (レス) id: 71ed2dd613 (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - シルビア★姉貴さん» 誤字への指摘は有難いですが、幾つも送られると困ります。直したら非表示にさせて頂きます (9時間前) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HAL | 作成日時：2023年6月2日 21時
