73 ページ23
越野「ったく、週末俺ら試合だぜ？」
『へぇ、あ、海南戦？』
越野「そーだよ、オマエも見に来いよ」
当たり前だろ？なんてトーンで話す。
『うーん、行きたいのは山々なんだけどさ…』
越野「何、来ねえの？」
『ちょっと授業とか、色々あって。』
越野「授業なんて休んじまえよ、オマエ来たら仙道も喜ぶのに」
『休めないの、今は。ごめんね』
他の皆は見に行くと思うよ？なんて言ったらそういう事じゃねえよ、だって。
越野「……なぁオマエ、何考えてんだよ。」
『失礼な聞き方すんね。』
越野「風の噂っつーの？話聞いてんだわ。」
怒っているのか寂しいのか、色々な感情を含んだ彼の姿。
『父さん……じゃないか、牧さんとか仙道さんとかからなんか聞いたの？
それかもしかして、田岡監督とか』
越野「そんなとこだ。
お前の父さん、山王のアイツと一緒にアメリカ行くんだろ？
俺らン中じゃ有名な話だよ、もう。」
『……みたいだね』
越野「お前も………Aも一緒に行っちまうんじゃねえのか？」
今までに見たことの無い姿だった、まあそんなに関わりが合ったほうでもないのでそれはそうなんだけど。
『どうだろう。
私は残りたい、ってずっと言ってるよ。
私はプレイヤーじゃないからね、湘北で3年を過ごしたい。皆のプレーをもっと見ていたい。
もちろん、越野のバスケもね』
ハッキリとここで伝えられない私はズルいだろうか。
しかし私とてハッキリと分かっている訳では無かったから、しょうがない。
越野「……ならしょうがねえな。
おし、電話番号教えろ！」
『どうしてそうなった？』
一転して元気が出た？様子、何があったんだろうかこの一瞬で。
越野「いや、明日勝ったらスグ連絡するからに決まってんだろ。
俺Aの番号知らねえし」
『携帯の番号、あんまり教えたくないなぁ〜』
越野「ハ！？何で！」
『越野、悪用しそうじゃん？』
越野「ばっかじゃねえの！しねえよ！！！するかンなこと！！！」
『ハハハ、ごめんごめん。分かってるって(笑)
そんな必死にならなくてもいーよ。
ちょっと待って、今紙に書いちゃうから』
そうして、私の電話帳に1つ増えた"越野宏明"という名前。
「送ってく、今度は絡まれんなよ」
『ん、ありがと。
明日頑張ってね、仙道さんにも宜しく』
「おー、任せろ」
また明日、湘北にとっても大事な試合が行われる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
