72 ページ22
「「お疲れ様でした！！！」」
『お先に失礼しまーーっす』
練習も終わり私は一足先に帰る、今日は久しぶりに1人の帰り道だ。
何人かは大丈夫か？なんて顔してたけどそんなんは気付かないフリ！
赤木先輩は花道に付き添って特訓みたいだし、彩子はまだ先生と話があるみたい。流川はまだまだ自主練していたようだから1人で帰るのはまあ必然だった。
『(1人で帰んの久しぶりだな〜、てあれ？』
信号待ちをしているとき、向かい側に知り合いを見つけてしまった。
『(うーん、声かけるか…？でもなぁ……)』
向こうも気付いていないみたいだったしまあいっか、と青になった信号を渡る。
ﾄﾞﾝｯ
『す、みませ…？』
「あ"？何だガキ。」
嘘でしょ、最悪すぎる。
横断歩道の真ん中で私に向かってガンつけてくる少しガラの悪い人、嫌だ、こっち見ないでよ……
「…」ﾊﾟﾁ
目が合った、まあこんな道のど真ん中で立ち止まっていたら嫌でも目にとまってしまうだろうけど。
「何か言ったらどうだテメェ！！！」
「ぶつかっといて謝罪も無しかァ！？」
どうしたら良いか分からない、何を話したらこの人たちが見逃してくれるのか、もうわからない。
だから、何も言えなかった。
「おい、走んぞ！！！！」
『え、…え？！』
さっき目が合ったソイツは私の手を引いて全速力で駆け出した。
ちょうど信号が点滅し赤に変わった頃、私がぶつかってしまった男の人たちは道の真ん中に取り残されている。
少し離れた公園まで、手を引くソイツの全速力で駆け抜けた。
「おいっ、大丈夫か？」
かなり速いペースで駆け抜けたのにも関わらずソイツは全く息も上がってなかった。
私は息をするのが精一杯、大丈夫だと伝えるために頷く
『ﾊｧっ、走んの、…はやすぎ』
「どーだ、惚れたか？」
笑って言ってる、何だかんだ助けられてしまったからな。
初めて会ったときも本当はナンパから助けて貰ってからのだったし。
『バーカ。
までも助かったよ。ありがとね、越野。』
越野「無事ならいいんだけど、オマエ本当に絡まれすぎ。
もっと注意しろよ」
『うん、ごめん。
向かいに越野見つけてさ、話しかけようかなと思って悩んでたらぶつかっちゃった、ﾊﾊ』
事の経緯を説明すると越野は頭を抱えていて叱るにも叱れず、と言った様子だった。
越野「本当に何もされてねえよな？」
『うん、大丈夫だよ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年2月3日 2時
