43 ページ43
"「私が今行っても、出来ることなんてない」"
いつにも増してキョーミの無さそうな顔でそんな事を言った仙道さん。
そんなこと、分かってる。
『はぁっ、ﾊｧ……安西先生、三井さんっ！！』
結局私は仙道さんの言葉なんて全部無視をしてベンチまで行った、途中でスポーツドリンクを買っていつでも手渡せるようにポッケにいれてある。
彩子「A！？
アンタ、大丈夫なの！？！！」
『今それどころじゃないっ、三井さんは大丈夫ですか？』
三井「……っ、ﾊｧ、はぁっ……」
目が虚ろだ、体力を使い果たしたと言えばまだ聞こえはいいけどこんなのがこれから先も続くのかと思うとゾッとする。
しかも意識が混濁しているのか、私の問い掛けには返事をしない。休憩の時のようにタオルを頭に被って肩で息をしている。
『ミツイさん！！！』
周りの部員たちは試合を見入っている、安西先生も試合を見ていた。
コートではちょうど花道がダンクを決めていた。
『三井さん、私のこと分かる？』
ﾋﾟｰｰｰッ!!!!
しかし花道はオフェンスファールをしてしまったようだ。
私はコートに背を向け座っている三井さんに目線を合わせるべく膝をつく。
「……A」
『そうです、こっち見て。』
顔を見て体調を予測する、恐らく三井さんは自分からは言ってくれないから。
ｷﾞｭ
『まだ手冷たい………三井さんベロ見せて』
「ﾊｧ……ぁ？ベロ？」
『そう、べってして。』
息をするのがやっとだ、これはもしかしたら難しいかも。
そう感じて指をギュッと押した。
『(色の戻りが遅い、だいぶ際どいところだ…)』
「離せ、A……」
『ぇ、』
「俺は最後まで……見るぞ。」
『そ、ですか……
三井さんが大丈夫ならいいんです、でも、体調が悪化したらすぐ言ってくださいね。』
私の言葉なんてもう届いてないだろう、今日これから悪化したところでどうせ言ってはくれない。
でも、今私に手を離せと言ったときの三井さん……
『(凄く怖い目をしてた。)』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HAL(プロフ) - ネコさん» ネコさんありがとうございます…、気づいた時めちゃ声出ました、、音で覚えてちゃ行けないですね……！！！ (2023年1月28日 14時) (
レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - いつも楽しく読ませてもらっています。面白いです、藤真さんのまは、真じゃないでしょうか？間になっていますよ。更新楽しみにしています。 (2023年1月28日 11時) (レス) id: 424c5bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HAL | 作成日時：2023年1月21日 19時
