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海南大付属の練習風景を覗ける、ということで少し気合いも入っていた。
『(みんなの為にひと肌脱いでやりますかね)』
体育館に通じる重たい扉を開くと、押し寄せる熱気に歓声。気付いたら監督も重たい腰を上げていたようだ。
『あ、藤真さん出てる…!』
今のスコアは湘北40-46翔陽だった。
中々追いつけそうで追いつけない、焦れったいような数字。
牧さんは海南の部員と合流し、私はそこで集団と離れ今度は1人で試合を見ることにした。
やっぱり1人は肩の力が抜けるしラクだ。
『(長谷川は三井サンにボックスワン……
三井サンはこんなところで折れる人じゃないと思ってるけど、さすがにあんなにずっとマーク付かれてたら疲れも尋常じゃないはず。大丈夫かな…)』
最後列の壁に寄りかかり試合の流れを見る。
『花道と三井サンに、かかっているような気もするんだけどな……』
花道のリバウンドは大分心強いものになってる、身長も高く当たり負けしないガタイ。
それに何より、
『よし、いけっ!!!』
花道がオフェンスリバウンドを取ったところ、よしここから攻撃再開だ!と恐らく会場にいた人は思っただろう。
ピピピッ!!!!
迂闊だった、ここで花道にファールが出たのだ。
確かに花道はバスケットを始めたばかりで 血の気も多くまだルールをきちんと知らない。
それに、もう1つウチにとって痛い事実が。
「
『……仙道さん。』
「また会ったな、今日の調子はどーよ」
『ドキドキが止まんないですね、こんな試合見せられちゃって』
県予選だしそりゃそうなんだけど、仙道さんとよく会う。
少し離れた所には陵南のジャージを着た人も見えた、私を怖がらせないために一人で来てくれたんだろうか。
この人はホントにどこまでも気が回って、それでいて相手にそのことを悟らせない。
仙道「おたくの14番、今にもぶっ倒れそうじゃん」
『………そうなんですけど
三井寿はここで止まるようなプレイヤーではありませんよ。彼は昔から、ずうっとカッコよくて、キレーなまあるいシュートを放つんです。』
私が言うのが早いか、三井サンはまたシュートを打ち、今度はリングに入る前に拳を突き立てた。
仙道「ヒュ〜、完璧。」
『湘北はね、こっからです。仙道さん。』
残り4分と少し、湘北52-58翔陽
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HAL(プロフ) - ネコさん» ネコさんありがとうございます…、気づいた時めちゃ声出ました、、音で覚えてちゃ行けないですね……!!! (2023年1月28日 14時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - いつも楽しく読ませてもらっています。面白いです、藤真さんのまは、真じゃないでしょうか?間になっていますよ。更新楽しみにしています。 (2023年1月28日 11時) (レス) id: 424c5bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年1月21日 19時