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『(……吐きそう)』
さっきの事を思い出しては震えて、吐き気を催して、気分は最悪だ。
それにこの後は彩子たちからの説教がある。
その事を考えるだけでも頭がいっぱいいっぱいなのに!!!
三井「オイ」
『…へ、なんスか、三井サン……』
三井「具合、大丈夫じゃないなら俺に寄っかかったりしてもいいから、まだ駅まであるし体休ませとけ」
心配そうな顔をしてそんな事を言う。
前にも感じたこのあたたかさ、三井さんを枕にするのは結構気持ちが良かったりする。
簡単に言うと、寝心地がいい。
『肩、借ります。』
三井「遠慮すんなよ」
『ん、』
元気をなくしていた私は、少し先輩に対して雑になってしまった申し訳なさを感じながらも深い深い眠りについた。
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「花道、ちょっと荷物もってくれ。
オレはコイツを背負う」
「ったくしょうがねえなミッチーは!」
そんな会話を意識の外で聞き流しながら、私はまた深い深い眠りについた。
結局起きたのは外が薄暗くなってからのこと、体育館の隅の方にブランケットのようなもので簡易的な布団が作られ、私はその上に寝かされていた。
体育館では花道が特訓をしていたり、バスケットこそしていなかったもののリョータと流川、そして彩子がなにや難しい顔をしながら話していた。
割と騒がしかったのに今までずうっと眠っていたとは、とても驚きだ。
「おはよう。」
『おはよ、ございます。』
少しやつれたようにも見える、三井さんだ。
もしかして三井さんはもう彩子にしっかりと絞られた後なのだろうか、次は私なのか……!!
「Aセンパイ。」
『!!』
また別の方から名前を呼ばれて振り返ると、会いたかった……というより話がしたいと思っていた相手がいた。
「具合、だいぶ良さそうだ。顔色もそんな悪くないし」
『自分でも驚くぐらい寝てた……』
「ハハ、そりゃ良かった。
それで、話って?周り、人いない方がいい?」
洋平クンはなんでもお見通しなんじゃないかってぐらい私の言いたいこと、考えていることを言い当ててくる。
たまに、何にも言わずにそっと優しくしてくれる。
『ズルいや。』
水戸「センパイも、十分ズリィぜ」
『彩子たちのとこ、行ってこなきゃ……おとと、』
ガシ
「あぶね、……気を付けろよ、湊?」
私を支えてくれる三井サン、きっと何も悪気は無いのだろう。
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HAL(プロフ) - ネコさん» ネコさんありがとうございます…、気づいた時めちゃ声出ました、、音で覚えてちゃ行けないですね……!!! (2023年1月28日 14時) (レス) id: dd7884e58b (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - いつも楽しく読ませてもらっています。面白いです、藤真さんのまは、真じゃないでしょうか?間になっていますよ。更新楽しみにしています。 (2023年1月28日 11時) (レス) id: 424c5bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HAL | 作成日時:2023年1月21日 19時