二人なら最強…？ただし相性最高。【ヒロアカ】 (ページ19)

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もうすっかり寒くなってしまったころ

『エンデヴァーさんのところに、行きたい』

ふと、そんなことを考えてしまった。

会いたい、とか様子を見たい、とか。

その気持ちが無いと言ったら嘘になるけど、エンデヴァーさんには伝えなくてはいけない。

"個性"のこと。

『あれ、焦凍くんに先生、出るんですか？』

轟「あぁ、実家に戻る。」

『そっか、いってらっしゃい。』

あの日から二日、三日経った。

あんなことがあっても変わらず明日はやって来て、私たちの生活も回っていく。

芦戸「A、入っていい？」

『いいよ』

芦戸「じゃんっ！！！
砂藤がシフォンケーキ焼いたんだって！

Aの分も持ってきたよ」

『三奈ちゃん、ありがとう。』

あの日から分かりやすく落ちている私に、みんなが気を利かせて色々してくれている。

でも、あのことだけじゃなくて、私の個性の事を言わないと。とかエンデヴァーさんのこの先のこととか、

色々考えていたらどう頑張っても気持ちが上がってこなくて。

最低限しか部屋から出なかったから、いっぱい迷惑かけちゃったみたい

『おっ、おいしいっ』

芦戸「でしょ〜！！？
部屋王決定戦したときに砂藤が作ってんだけど、Aにも食べて欲しくてさ」

『おいしい、よ……』

芦戸「泣くほどっ！？！？

まあでもっ、いっぱい泣きな！今アタシしかいないんだしさ！」

その優しさも痛いほどしみて、改めてこのクラスで良かったと思った。

『(個性がなくなったこと、やっぱりみんなに言った方が……)』

そして私の心にも、少しだけ変化が訪れていた。