汚職警官は、大切な人を救えるか？ (ページ15)

今日:10 hit、昨日:8 hit、合計:21,989 hit

154 ページ15

「あまり、思い詰めるなよ」

『え、？』

「眉間にしわが寄っているぞ、そんな風では綺麗な顔が台無しだ」

『巫山戯たこと言わないで頂戴。』

「これは失礼。
ただ、キミにはこれ以上傷付いて欲しくないだけなんだ...」

『何それ、罪滅ぼしのつもり？』

ダメよ、ここで熱くなってしまっては。

ライ「.....そういうつもりでは無かった、無粋だったな。」

『そういうんなら一刻も早く責務を全うしなさいよ』

「.......キミにそれを言われるとはな。」

私が吹っかけると彼は、眉を下げて優しい顔でそう告げた。

「しばらくはスコッチのセーブハウスには近寄るな。」

と、警告を添えて。

どうして？

そんな言葉が過ぎったけれど、多分私とスコッチの関係を知っていてあえての警告なんだろう。

今行けば、色々不都合が生まれてしまうとか。

『.......ご忠告、どうもありがとう。』

そう、もう一週間もたたないうちにあの爆弾魔は再度爆発物を仕掛け私の大切な人を巻き込むのだ。

今はそちらへ集中するべき、なのかな。

11月6日。

千速姉ちゃんから研二の同期4人と病院にいる、たまにはみんなと顔を合わせたらどうだ？と誘いを受けていた。

もちろん、私は行かなかった。

申し訳ないけれど彼らがいなくなったことを教えてもらってから研二の病室に向かった。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

千速「全く、最近寝れていないのか？
クマがひどいぞ。」

『はは、まぁ、色々あってさ。』

千速「アイツらとは会わなくて良かったのか？」

『うん。

.........少し、彼らとは距離を置かなくちゃ。』

正確に言ってしまえば彼らではなく彼、なんだけどね

千速「無理強いはしないが、陣平も会いたがってた。」

『たまに電話掛かってくる。

出るだけでありがたいと思え〜！って良く話してるよ』

良かった、私まだ笑えてる。

千速「それより、明日.......」

少し言い難い様子で口を開いた。

『うん、分かってる。』

千速「私は明日普通に仕事が入ってるんだ、すまないんだが研二と陣平を頼めるか？」

『もちろん、任せて頂戴。』

千速「ハァ、本当に頼もしくなったな。

私にぐらいはもっと色々話してくれて良いだろうに。」

『近いうちにたくさんお話するよ。

だって研二にも、会いたいもん。

早く起きてよ、ねえ？』