天然な灰谷の姉

天然 38 ページ47

『あの、バイク…あれは、違うそんなはずない…』




竜「姉ちゃんっ！！！！」








ﾄﾞｯ


『え、う"っ！！

ったあ…』





蘭「は？誰だ姉ちゃん殴ったの」



あれは見覚えのあるなんてレベルじゃない。

知っているバイクを見つけて動揺していたところに1発しっかりと貰ってしまった







突然だったので受け身もまともに取れず吹っ飛ぶ




竜「姉ちゃん！！大丈夫っ？！」


『うん、余所見しちゃった…』





ｺﾞｯｺﾞｯ


蘭「テメェか？？俺の姉ちゃんを殴ったのは、あ？
おい何とか言ってみろよ殺すぞ？」




『蘭止まって！
私は大丈夫だから！！！！』

竜「兄ちゃん！」


竜胆と私が声を掛けると気付いてパッと手を離した








『ごめん、私が足引っ張っちゃった』


蘭「そんな事ないよ？大丈夫だった？？？」

『うん、私はなんともない。』




蘭のお陰で私を殴った子はもう瀕死だし東京卍會の子たちもほぼ解散して病院に向かったようだった







『落ち着いたみたいだし、私たちも帰ろ』


家に着くまで会話はほぼ無くて、蘭なんかは驚くほど言葉を発さなかった。



家に着くといきなり竜胆に浴衣をひっぺがされた

『え、なになに』


竜「手当て。
姉ちゃん殴られてただろ」

『あ、そっか。
ごめんね』

竜「姉ちゃんは謝るなって」

『ありがと。』














ベッドに入ると後ろから蘭に抱き着かれた




蘭「Aちゃんのこと守れなくてごめん」


いつもの蘭からは考えられない寂しそうな声で呟く

体制を変えて蘭の方に向き直る


『そんなに落ち込まないで？

竜胆に手当てだってしてもらったし今はこんなに元気だよ！』


蘭「でもさ…」


『今日は私がすごく油断してたから蘭にも竜胆にも心配させちゃったし迷惑も掛けちゃった、ごめんね？



でも、助けてくれてありがとう。』


蘭「あんなん、助けたうちに入んねえよ。

あのさ、ねーちゃん、？」


『どうしたの？』






蘭「俺と竜胆にはいくらでも迷惑かけて良いからね？

俺、ねーちゃんが傷つくところ見るの嫌なんだ。」



そう言って涙を流した。

どんなときも冷静で、笑顔を崩さない蘭は掴めない性格をしている。


そんな蘭が今、私の前で泣いている。







『蘭は心配性だね？
ほら、もっとこっちおいで。』


蘭「うん…」




ｷﾞｭ




竜「おい、兄ちゃんだけズルい」



『竜胆もおいで、今日も3人で寝よ』


竜「うん」

天然 39→←天然 37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す