天然な灰谷の姉

天然 12 ページ13

『ごめんね、若狭』








そう言われた"若狭"という相手は、哀しそうな顔をしていた



「見た目は元に戻ったけど、変わったな…」









そして、少し考えてから懐に手を入れた



「これ、お前に渡すわ。」



『なに、これ？』



「アイツから手紙預かってたんだ。
前に見掛けたときのお前はまだ目に迷いがあるように見えた


でも今はそれが無い








渡すの遅くなって悪かったと思ってる」





『大丈夫だよ、渡してくれてありがと』









渡されたのは薄紫色の可愛らしい封筒



『あの人がこの便箋買ってお手紙書いてると思うと笑えてきちゃうね』










「…そうだな。

あとそれ、中身手紙だけじゃないみたいだから気を付けろよ

じゃあな」







『うん、またね』







封筒越しに触ってみると硬い小さな円の形をした何かだと言うことがわかった




『(なんだろ。)

今、開けちゃおう。



流石にキミも目の前で開けられるとは思っていなかっただろうし時間はたっぷりあるからね。




久しぶりに長話でもしよう？』














破らないように丁寧に手紙をあけて、中身を確認する



















ｺﾛｯ







『あっ、待って』



先ほど気を付けろと言われたのに封筒をひっくり返して中身を出そうとしたことで中に入っていた"何か"が転がっていく



















『よしっ、捕まえた…！！












え？



















これって。』

天然 13→←天然 11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す