俺の彼女が狙われる理由。【ア.ブ】

Non-smoker7 ページ7

「見ちゃいましたね、アブセンパイ」
「もうほっといてくれるかな?」
「Aセンパイ、あのセンパイとできてるんですか?」
「俺の奥さんだから」



セピアさんが彼女のことを抱き抱えて、そのまま医務室に入るのを見た。

セピアさんがそんな人の妻を取るような人じゃないってわかってるし、医務室に入ったのを見ると、彼女の具合がよくないんだろう。

……ん? 具合が良くない?



「Aちゃん‼︎」
「わあ、なんですか。もう」
「俺行ってくる」
「え、ちょっと邪魔しちゃ悪いですって。お楽しみ中だったらどうするんですか」
「梨々香ちゃんは仕事に戻ってね」



黙らない横の人を無視して、後を追いかける。
さっき、彼女が急いで部屋を出て行ったのは具合が悪かったからなのか。

それに気づけなかった自分はなんなのか。



「…っAちゃん‼︎」
「あ、アブさんだ」


セピアさんが振り向いて、俺の方を見た。
とても心配そうな顔をしている。



「Aちゃん、急に咳き込んでて……何か知らない?」
「え、咳き込む……?」



数ヶ月前の光景が頭を過る。
俺の所為で苦しんでいた彼女の姿が、鮮明に。

……でも、なんで今?

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