episode06 ページ8
「 ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！！！！！」
･
ベンチで沈んでいるあいつを、後ろから脅かしついでに冷えた飲み物を首に当ててみた
「 ひあっ、」
方を大きく揺らして、驚いたようにこっちを振り返ったそいつは、気まずそうに目を逸らした
「 隣、いいか 」
「 あ、うん。どうぞ 」
承諾を得て、俺は隣に腰を下ろす
「 やる。だいぶ疲れてるだろ 」
それから、飲み物を渡してみた
戸惑った様子を見せてから、素直に受け取る
体育祭以来、俺はずっと考えていた
過去を、清算しなければならないと。
母親とは、まだ完全とは言えねえが、 少しずつ、向き合えてる気がする
ただ、Aだけは、中々向き合えなかった
こんなチャンス、滅多にない
男を見せろ、轟焦凍。
「 手、大丈夫か 」
「 …手？」
「 昔、引っ掻いただろ。わざとじゃ、なかったんだけどな。わるい 」
俺がそう言って謝れば、少し黙ってから吹き出した
「 いつの話？もう小学校の頃の話だよ。すっかり治ってる 」
俺は「 そうか 」と言って、黙る。
会話が続かねぇ。何から話せばいいんだ
「 …ヒーローに向いてねえって、嘘だ。思ったことは、一度もない 」
「 ………それは、なんか、安心した 」
「 関わるなって、言って…悪かったな 」
「 うん、それは凄く、寂しかった 」
謝らねえとだめなことが、山ほどある。
「 …あれ、誰のことだ 」
「 あれ？」
「 守りたかったとか、救えなかったとか。言ってただろ 」
俺がそう言えば、Aは照れたように頬をかいた
「 轟くん 」
なんなんだ。
無性に、抱きしめてやりたい
「 緑谷くんは、凄いね。私ができなかったこと、やっちゃうんだもん。」
「 …緑谷はすげえ奴だと、俺も思う。」
Aに見え隠れする、目の奥の影
それは多分、俺が昔に残した、傷跡
「 …仲直り、したいんだ 」
「 ……え 」
「 急に転校した時、もう会えねえかと思った。ずっと、後悔した。」
緑谷が、教えてくれた
真正面からぶつかれば、大概大丈夫だって
「 だめか…？」
「 ……何、天然なの。可愛いなあ、もう 」
「 …あ、お…なん、で 」
涙なんて流すから、思わず動揺した
「 仲直りしよう。私もずっと、そうしたかった。ありがとう、轟くん 」
泣いたり、笑ったり。忙しいやつだ。
俺は服の袖で、涙を拭ってやる
「 ありがとな 」
俺と向き合ってくれて、ありがとな。
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夜乃ツキ(プロフ) - バニラバニラさん» 壮大なネタバレ！！！！キャラ崩壊ろきくんですが、ドキドキして頂けたなら嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2019年1月27日 18時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
バニラバニラ(プロフ) - 轟くんとナチュラルに指くわえるのは胸キュンですね！電車でバランス崩して距離がめっちゃ近いのもドキドキしました！ (2019年1月27日 11時) (レス) id: 171a74232b (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - Ｈｙｎｅさん» はじめまして。コメントありがとうございます。今回はばちばちに轟くんがキャラ崩壊していく話なので、飽きずに付き合ってやってください。これからもよろしくお願いします！ (2019年1月26日 22時) (レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
Ｈｙｎｅ(プロフ) - はじめまして。轟くんと夢主ちゃんが可愛い！続き楽しみにしています。 (2019年1月26日 15時) (レス) id: f2fe0e322f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2019年1月25日 22時
