episode08 ページ10
温かい感覚に、目を覚ます
目を開けば、ふかふかのソファの上
「 ん、あれ… 」
ぼく、寝てたのか
目を擦って、辺りを見回す。
ぼくの家じゃない。確か、ライブの途中で
「 でも、楽屋でも無… 」
ぼくの間となり
綺麗な、寝顔
「 せんせー？」
ぼくは九条天の頬を、軽くつついてみた
くすぐったそうに少し顔が緩む
「 あは、かわい 」
ここ、九条天の家なのかな
やけに広くて、シンプルで
扉が開く音がして、ぼくは振り返った
「 天、買ってき… 」
この人、九条天の隣で踊ってた
「 …ハジメマシテ 」
またしても、本物のアイドル
八乙女楽と十龍之介って人達だ
「 お前、天が楽屋に連れ込んでた… 」
「 すみません、お邪魔して 」
「 でも、天は何で君を？」
ぼくは眠っている九条天をちらりと横目で見てから、一息つく
「 えっと、九条天…さんは、ぼくの家庭教師で 」
部屋が、シンと静まり返る
と、次の瞬間、八乙女楽が吹き出して笑い始めた
「 こいつが！？」
「 あ、はい 」
どこに、笑う要素が？
ぼくが小首を傾げていると、八乙女楽の顔面にクッションが飛んでいった
「 え 」
「 おわっ 」
「 楽うるさい 」
「 人にものを投げるなよ！」
「 天、目が覚めたんだね 」
急に騒がしくなった部屋の中
TRIGGERの空気
「 あの、ぼくそろそろお暇しま… 」
「 何言ってるの 」
九条天は、ぼくのカバンをちらつかせる
「 勉強 」
「 ここで？」
「 そう 」
この人、何言ってるんだ
教材全部家だぞ
「 でも、勉強道具持ってきてないし 」
「 筆記用具はあるんでしょ 」
「 あるけど 」
八乙女楽と十龍之介が、ぼくと九条天の座っているソファの向かいに座った
「 いいじゃん、やれよ 」
「 遠慮しなくていいよ 」
遠慮とかじゃなくて、
ぼく、完璧なる部外者なのに
「 ねえ、先生 」
ぼくはずっと疑問に思っていたことを口にする
「 何でぼくを、連れて行ったの 」
どうしてぼくを、ライブに連れていったの
どうしてぼくを、ここに連れてきたの
「 …キミが、退屈そうだったから 」
当たり前のような顔をして、
「 何をしてても、退屈そうで、何にも興味がない感じで 」
淡々と、言葉を口にする
「 寂しそうだったから 」
「 …先生には、関係ないことじゃん 」
「 そうかもね 」
「 かもじゃなくて 」
「 でも 」
九条天は、淡々と
「 キミが誰なのか、ボクが知りたい 」
ぼくを──
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夜乃ツキ(プロフ) - たばねさん» 応援ありがとうございます！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
たばね - 頑張ってください！ (2018年9月29日 17時) (レス) id: 42ec3060fa (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - moriamiさん» コメントありがとうございます。まったり過ぎるとは思いますが、そう言って頂けると幸いです。今後とも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます。お褒め頂けるとインスピレーションが湧きます。( 此奴 )頑張りますね。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
moriami(プロフ) - これからも、まったり更新待ってます！ (2018年7月28日 21時) (レス) id: c093c53a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年11月26日 22時
