episode26 ページ28
「 はあ、ただいー… 」
「 おかえりなさい 」
「 …理、ちゃん 」
玄関の扉を開くなり、笑顔で出迎えてくれる理。その手には、昨日拾った白猫
「 怪我してるのに無茶なことしちゃだめですよ？」
「 …あー、はは 」
ぼくは目を逸らす。
昨日も、帰るなり九条さんに怒られて、無茶をするなと言われた。
失敗作にはしたくないからと
「 ぼく部屋に戻る。先生は？ 」
「 まだ帰ってきてないけど… 」
「 そっか 」
ぼくは理にふわり、と笑って見せれば、そのままぼくと九条天の部屋へ戻った
ドサリと音を立ててベッドに寝転ぶ
あの人の、匂いが微かにする。と、いうより、同じシャンプー使ってるならそれもそうか。
ぼくはここで、重要なことに気付く
「 馬鹿だろぼく… 」
普通にしすぎだ。
シャンプーも、コンディショナーも、ボディソープだって、普通に九条天のを使っている
だって、これ使って良いよって
「 コンビニ 」
コンビニで、適当に買ってこよう
このままじゃ本当に、九条天の弟になってしまう
ぼくはベッドから起き上がると、ドタバタと部屋から出た
「 どこに行くんだい 」
「 こ、コンビニに 」
と、思ったら、九条さんに捕まった
九条天が帰ってくるよりも早く、買いに行きたいのに
「 今日はもうやめておきなさい 」
鋭い目付き。威圧されてるようで、ぼくは何も言えなくなった。
「 いいね？」
「 …は、」
はい、というよりも先に、玄関の扉が開く。驚いた顔で、ぼくと九条さんを見る、九条天
「 何をしてるんですか？」
「 ああ、天。おかえり。清がコンビニへ行きたいと言い出したからね、昨日の今日だ。やめておきなさいと言っていたんだよ 」
ゆったりとした口調の奥にある、棘
どうにもこの人だけは、苦手だ
「 ボクが一緒に行きます 」
「 え 」
「 …それなら、良いかもしれないね 」
九条さんは少し悩んでから頷いた
疲れてるはずなのに、ぼくに行こうと言ってまた玄関の扉を開く
「 でも、仕事終わったばっかりだし 」
「 いいよ。一人で行かせて、また怪我なんてしたら困るから 」
「 … 」
と、言うより。九条天に何を買うのかバレたくないんだけど、なんとなく。
黙り込んだままのぼくの手首を、九条天が掴んだ
「 え 」
「 それじゃあ、行ってきます 」
「 ああ、行ってらっしゃい 」
「 ちょ、先生！」
ぼくたちはそのまま、夜の街へ繰り出した
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夜乃ツキ(プロフ) - たばねさん» 応援ありがとうございます！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
たばね - 頑張ってください！ (2018年9月29日 17時) (レス) id: 42ec3060fa (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - moriamiさん» コメントありがとうございます。まったり過ぎるとは思いますが、そう言って頂けると幸いです。今後とも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます。お褒め頂けるとインスピレーションが湧きます。( 此奴 )頑張りますね。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
moriami(プロフ) - これからも、まったり更新待ってます！ (2018年7月28日 21時) (レス) id: c093c53a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年11月26日 22時
