episode24 ページ26
時計の音が、やけに響く
一人、イスに座ったまま時計を見つめる
九条天が言ってた
相手は
面白いことに、その五十棲事務所の息子は、TRIGGERの八乙女楽と性格が似ているのだという。
だから、挑発してこいと
「 挑発って！！！」
どうやら、九条天は昔、ぼくと同じ立場だったらしい。相手の事務所の息子さんは、ぼくが大金を払ってアイドルになると思ってるのだとか
だから、魅せてやれと
「 って言われてもなあ 」
TRIGGERは昔、踊ったらしい。
そして彼らは、TRIGGERに恋をしたと
「 …恋、か 」
不安が、ふつふつと募る
もしぼくの秘密がバレたら、どうなるのだろうか
キィ、と扉の開く音がする。階段を、トントンと鳴らしながら、最後に、ぼくの名を呼んだ
「 おまえが、九条清か 」
ぼくは、ストンと椅子から降りて、くるりと振り返った。
彼らは、驚いた顔をする
「 そうだよ。ほら、あんたたちも教えてよ。どっちが癇癪を起こした社長の息子さん？」
「 あ？んだとテメェ 」
「 また駄々をこねるの？良いよ、相手をしてあげる 」
「 誰が駄々なんてこねるかよ。いいぜ、相手してやるよ。兄貴の栄光と金だけでここに来てないこと、証明してみろ 」
九条天が、言ってた通りだ。
でも、やっぱりぼくには
「 だあ〜〜まどろっこしい！先生も無茶言い過ぎなんだよほんっと 」
唖然とする二人に、ぼくは指さした
「 踊ろう 」
「 は？」
「 え 」
「 その兄貴とやらが言ってたんだよ。一度踊ってみなって。そしたら、ぼくを認めてないあんたみたいな奴が、ぼくが金メッキのハリボテじゃない事に気づくだろうからってね 」
ぼくは正直、歌もダンスも得意だ
小さい頃から、ずっと。弟という観客の前で、ずっと一人で歌って踊ってた
ダンスをまともにやってたわけでもない、歌のレッスンを受けたわけでもない
でも時として、その潜在能力は、何かがきっかけで目覚めるもの
それが例えば、弟の疾走かもしれないし、そうじゃないかもしれないけど
「 良いでしょ 」
ぼくは、自分でも認めてしまうくらいに
踊りも歌も、得意なんだ
「 っち、これで全然ダメだったら俺は抜けるからな 」
「 お好きにどうぞ 」
「 そうだね、一度踊ってみるのも良いね 」
さあ、踊ろう。
魅せてあげるよ、ぼくのダンスを
「 絶対に認めさせてやる 」
九条天の隣にいて恥じないように
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夜乃ツキ(プロフ) - たばねさん» 応援ありがとうございます！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
たばね - 頑張ってください！ (2018年9月29日 17時) (レス) id: 42ec3060fa (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - moriamiさん» コメントありがとうございます。まったり過ぎるとは思いますが、そう言って頂けると幸いです。今後とも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます。お褒め頂けるとインスピレーションが湧きます。( 此奴 )頑張りますね。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
moriami(プロフ) - これからも、まったり更新待ってます！ (2018年7月28日 21時) (レス) id: c093c53a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年11月26日 22時
