episode21 ページ23
「 今日は1日オフだからって、外に追い出されちゃったね。先生 」
「 キミ、言い方ってものがあるでしょう 」
ただいま、九条天と街を散歩中
今日は土曜日だから、人数も多い
ぼくはともかく、九条天がファンの人にバレなきゃ良いんだけど
かっこいいもんな、九条天
「 …って何考えてんだよ！！！」
バシッと自分の頬をビンタしたぼくを、九条天が怪訝そうな顔で見た。
「 何考えてたの？」
「 いや別に何も 」
ぼくは少し歩く速さを上げた。
スタスタと、目的もなく歩く
刹那、ドンと誰かにぶつかった
「 うわっ 」
たいした勢いでぶつかった訳でもないのに、相手の人は尻餅をついてしまった
「 す、すみません。大丈夫ですか 」
ぼくは、倒れてしまった女性に手を差し伸べる
「 こちらこそすみません、ありがとうございま… 」
その人は、顔を上げて固まる
ぼくの後ろを見てる。まさか、九条天のファンなんじゃ
「 九条さん 」
「 相変わらず忙しそうだね。小鳥遊さん 」
ぼくは取り敢えず、彼女の手を引いて立たせた
ぺこりとお辞儀をすれば、ぼくを通り過ぎて九条天の元へ駆け寄る
「 九条さんも、元気そうで何よりです 」
知り合い、なのか。
多分業界系の知り合い
「 アイドリッシュセブンはどう？相変わらず騒がしい？」
「 はい、とても明るくて楽しいです 」
何だか、ポツンと置いてかれてしまった
ぼくの知らない九条天を、この人は知ってるんだ。きっと
何だか、もやっとする
ふいに、綺麗な白猫が路地裏に入っていくのが見えた。いいや、もう放っておこう
ぼくは話し込む二人をよそに、その白猫を追いかけて路地裏へ入り込んだ
「 あれ、どこ行ったあいつ 」
きょろきょろと路地裏を奥に進む
「 ふしゃーっ、にゃあー！！」
どこかで、猫の怒る鳴き声が聞こえた。けれどそれは一瞬にして、猫の悲鳴へと変わる
ぼくは鳴き声のする方へ駆け寄った
「 …っ 」
傷だらけの猫。もうよろよろで、鳴き声も掠れてる。二人の男が、棒を振りかざした
「 やめろ！」
また、身体が勝手に動いた
別に助けなくても良かったじゃないか
その猫は、そういう運命だったのだから
ぼくは間一髪で、猫を腕に抱きとめて転がるようにして棒を避けた
「 何だてめぇ。その猫は俺達が見つけたんだぞ 」
「 この猫はあんた達の猫じゃない 」
でももし、運命があるのだとすれば
「 クソガキが！」
これも、運命だったのかもしれない
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夜乃ツキ(プロフ) - たばねさん» 応援ありがとうございます！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
たばね - 頑張ってください！ (2018年9月29日 17時) (レス) id: 42ec3060fa (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - moriamiさん» コメントありがとうございます。まったり過ぎるとは思いますが、そう言って頂けると幸いです。今後とも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます。お褒め頂けるとインスピレーションが湧きます。( 此奴 )頑張りますね。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
moriami(プロフ) - これからも、まったり更新待ってます！ (2018年7月28日 21時) (レス) id: c093c53a69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年11月26日 22時
