episode12 ページ14
「 やってみたい 」
口から出た言葉は、ぼくの発しようとしていた言葉とは真逆の言葉だった
「 わかった 」
頭の中で混乱する。
何で、やってみたいなんて
「 ちょ、ちょっと待ってやっぱり 」
「 ファンの皆を笑顔に出来る。感動させられる、魅了できる。満足、させられる 」
九条天が、携帯を耳に当ててこちらを見た
「 キミには、そういう素質があると思うよ 」
「 ー 」
ぼくは、いつだって
「 もしもし、天です 」
逃げてばかりで、変われる何て思ってなくて
「 ーはい、九条さん 」
ぼくは、九条天を見た
どこか寂しそうな、そんな表情で
電話をしている九条天と、ぼくの目が合った
申し訳なさそうに、眉を下げて
許しを乞うような、そんな瞳で
「 な、に 」
電話を切った九条天は、ぼくの手を握る
「 キミには、申し訳ないと思ってるよ。
でもこれは、キミのためにも、お母さんのためにも必要な事だと思うから 」
「 何言ってんの、わけわかんないんだけど 」
「 絶対に、逃げないで 」
よく分からない、けど、嫌な予感
「 離せっ 」
「 自分からも、キミのお母さんからも逃げないで！」
張り上げた九条天の声に、ぼくは動きを止めた。何言ってるんだよ。ふざけんな。そんなの
「 逃げてなんかー… 」
「 目を逸らさないで。前を見て 」
九条天はぼくから手を離して、ぼくの両頬を両手で掴んだ。
「 キミは、変われるから 」
そんな事を言いながら、申し訳なさそうな表情で、許しを乞うような瞳でぼくを見るのは
「 どうして、あんたが一番。辛そうな顔してんの 」
今思えば、ぼくは九条天の事を何も知らなかった。何も、見てなかった
「 教えて先生 」
九条天は、ただ笑った
優しく、温かな、笑顔で
ぼくは、九条天の手を掴んで、頬から離した
「 …いいよ。わかった 」
九条天の見ている世界を、見てみたい
九条天のことを、知りたい
ただ、それだけ
「 だから、そんな顔しないでよ先生 」
ただ、それだけ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜乃ツキ(プロフ) - たばねさん» 応援ありがとうございます！ (2019年1月19日 23時) (
レス) id: afb473d78d (このIDを非表示/違反報告)
たばね - 頑張ってください！ (2018年9月29日 17時) (レス) id: 42ec3060fa (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - moriamiさん» コメントありがとうございます。まったり過ぎるとは思いますが、そう言って頂けると幸いです。今後とも頑張りますので、応援の程よろしくお願いいたします。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます。お褒め頂けるとインスピレーションが湧きます。( 此奴 )頑張りますね。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
moriami(プロフ) - これからも、まったり更新待ってます！ (2018年7月28日 21時) (レス) id: c093c53a69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年11月26日 22時
