episode87 ページ26
明日にドルライを控えた、今日。
もう窓の外はすっかり暗くて、私は床に腰を下ろした
何故床なのか
「 もう上がったの？」
「 あ、うん。上がりました 」
雑誌を読んでいた天が、こちらに目を向ける
「 キミ、自分が女の子だって自覚ある？」
「 そりゃあ一応 」
ため息ついた天は、雑誌を置いてこちらへ歩み寄ってきた。
天の部屋は、ダンボールに溢れていて、なんだか申し訳ない
「 それなら、髪くらい乾かしなよ 」
「 わわっ 」
後に座るなり、私の首にかけてあったタオルを、天が手に取って私の髪をわしゃわしゃと拭く
「 自分で出来るよ 」
「 知ってる 」
天は有無を言わさない様子だ
ただでさえ、同じ家、同じ部屋で過ごすってのに、緊張してるってのに、こんな、近くに！！
「 ねえ 」
「 は、はい 」
天は手を休めずに、私に問いかける
「 Aは、いつからボクの事好きだったの 」
「 げほっ、ごほ 」
私は突然のことに咳き込んだ
「 な、なんで急に 」
「 気になって 」
いつからとか、明確にはわからない
「 …小学校の頃から、かな。いつの間にか好きになってたから、わかんないや 」
天に表情が分からない。
私は天井を仰ぐように、上を向いてみた
天の顔が、赤い
「 ちょっと、服の下見え… 」
「 天は、いつから好き？」
この大勢きついな。何て思って、天と向き合う形をとる
そっぽを向く天、可愛いなあ。
呑気に天の返事を待っていたら、頭の上にタオルが被さった。視界が遮られる
「 ちょっと、天… 」
「 見ないで 」
タオルで視界を遮られたまま、天の手が私の頬に優しく触れた
「 ボクもきっと、小学校の頃から好きだったよ 」
誤魔化すような口調で、天はそう告げた
ふわりと、天の香りが鼻をかすめる
「 ん、」
唇が重なって、二人だけの部屋に、水の音が響いた
ぱらりとかタオが落ちる
重なっていた唇が離れ、天は微笑んだ
「 好きだよ 」
「 …ずるい 」
ずっと、天の隣に居れたらいい
「 明日、お互いに頑張ろう 」
「 うん、そうだね 」
天は立ち上がって、私の手を引いて、ベッドへと導いた。うわ、何このシチュエーション
「 大丈夫、食べないから 」
「 ば、馬鹿じゃないの！！」
悪戯に笑う天。この野郎。
ひとつのベッドに二人、横になった
天の温もりが伝わってくる
「 天 」
「 何 」
「 私も好きだよ 」
「 知ってる 」
おばあちゃん、お母さん。
私今、幸せだ。
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夜乃ツキ(プロフ) - ゆりりあさん» コメントありがとうございます。キャラ崩壊しまくりな天ですが、そう言っていただけると幸いです。ゆりりあ様のリクエスト、応えさせて頂きますで、今しばらくお待ちください。今後とも頑張りますのでますので、よろしくお願いします。 (2018年3月17日 23時) (
レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりあ - 天くんがすごく優しく、カッコいい感じが出ていてすごく好きです。もしできたら、撮影で執事の格好の天とメイドの格好の夢主とのイチャイチャを書いてほしいです。 (2018年3月17日 9時) (レス) id: b4acc91cdf (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - ニヤけさん» コメントありがとうございます。これからも、天くんを見てニヤニヤドキドキしてもらえたら嬉しいです。頑張りますので、今後ともどうぞ宜しくお願いします。 (2018年2月10日 16時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
ニヤけ - この作品見てから天くん見るたびニヤけちゃう (2018年2月6日 4時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃ツキ(プロフ) - 萌さん» コメントありがとうございます。女キャラは全てオリジナルなので、好きになってくださってありがたいです。今はまだ、夢主と恋梅の関係がピックアップされていましたが、奏音と夢主の関係も、いずれ書けたらと思っています。今後とも、よろしくお願いします。 (2017年11月12日 3時) (レス) id: 95fbf1c3a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜乃ツキ | 作成日時：2017年9月17日 1時
