【銀魂】紅華の女医

※ ページ42

《土方 サイド》


スナックすまいるの手前、いつも通り近藤さんの回収に行くついでにあの人を探した。お妙さんは休みらしい。



生憎スマイルの店員には…



「おた子ちゃん……ですか？見た事無いわ……あの娘臨時の子だから…。」



折角愚痴る相手が見つかったと思ったのによ。
オマケにあいつのお面だってまだ返してねぇ。



「やけに気にいってるじゃないか。おた子さん。なんだ？惚れたんじゃねぇか？トシ。」



「バカ言え、近藤さん。愚痴る相手が居なくてがっかりしてるだけだ。」



それにまだ話の続きだってあいつの面さえまともに見れてねぇのに。



しばらく歩いた先には見慣れた隊服を着た、憎たらしいあの野郎が居た。




「あり？土方さんに近藤さん。こんな所をほっつき歩くなんて珍しい。万事屋に用ですかい？」



気付かねぇ内に、万事屋まで歩いていたみてぇだ。



「丁度イイでさぁ…。今日は旦那の見舞いも兼ねて、辻斬り事件の事情捜査をするんで。」



「万事屋が辻斬りに……？」



…………


「…んで、てめぇら見てぇなサツが見舞いに来てんだよ…！！」




「見舞いじゃねぇーよ。事情捜査だ臭れ天パ！」




あの天パにこれ程の傷を負わすとは、中々の相手だったのか…？




事情を聞いてみれば、辻斬り犯は妖刀紅桜と呼ばれる刀を使って暴れてるみてぇだが、生きたように動く刀らしい。



天人のものなら楠本が詳しい。




「なぁ、ウチの神楽見かけなかったか？昨日の晩帰って来てねぇんだ。」



すると総悟も思い付いた様に、




「確か、姉御も帰ってきてやせんね。」



「てっきり俺は万事屋でお泊まりに行ったのかと思ったが…？」




こりゃあ不味いですねィと総悟が口にする。




強いから気にはしなかったが、あいつは一応天人や族に追われてる身だった。




「一刻でもチャイナ娘と楠本先生を探すぞ…！

万事屋！俺達はここで失礼する！」



と近藤さんの後を追った。


………

《銀時 サイド》


「あの刀の娘といい、あの野郎どもといい、今日は客人が多いな…。つーかさっさとジャンプ買って来い！」




俺もこんなやんちゃなんかしたくねぇけどよ。
最悪な事態になっちまった。




Aは恐らく高杉の所にいる、
あいつの弱みに漬け込むに違いない…。




「Aあんな野郎と手を組むんじゃねーぞ……！」





“私のお気に入りの傘と共にAさん達と帰って来て下さいね。お妙”




あぁ、必ずだ。

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