【銀魂】紅華の女医

23. 冷静で居られる程 ページ28

その後、神威が挑発的な言を鳳仙に言い続けて…




「黙れッ！！」





誰かが殴られ天井を突き破る。
でも…、あれは…





「困るな……どうやったらこの乾きは潤う？」



「神威……！」



「そう来なくちゃ、鳳仙殿？」




バキッ……！！




素早く蹴りと拳を付き出す鳳仙と神威…。
流石は夜兎、戦闘狂と呼ばれた種族。
戦い方がハンパない。



彼等が闘ってる間、
怪我を負った遊女に近づいた。





(…巻き添えになって…、気の毒だわ。)





出血が酷い…、
これなら多分持つだろう。


小型注射器を取り出し彼女に射つ。
なるべく端の方に運んで休めば少しは回復するだろう。






『…貴方も早く逃げなさい。戦いに巻き込まれますよ。』



「…な、何でお前は冷静なんだよっ…！お前、ここの遊女じゃないだろ…！！そこの女に何を…！」


『大丈夫よ、回復薬だから。それより今は逃げますよ。』






男の子の手を引っ張りその場を離れる。
それより…春雨が此処に居るなんて…
薬の調査どころじゃ無いわ。


行きゆく先には女の死体が転がっている。
遊女…じゃない。恐らくここの番人達。
あの神威(ひと)の仕業か…。






『貴方は…日輪って言う人と何の繋がり？』


「…っ…！おいら…おいらの母ちゃんだ…。
会いに行く為に此処に来たんだ…！」






それで夜兎に捕まったのか…






『じゃあ早く会いに行きませんとね、貴方のお母さんに。』



「あんたはいったい……」



『…私は、通りすがりの訳ありの医者ですよ。』







家族に会いたい気持ちはなんとなく分かるからね。





「子供を見つけたぞ…！」


「絶対通すな…！！」





騒動を嗅ぎ付けたのか、武器を持った女達が立ちはばかる。




「まずい、吉原の百華だ…！！どうする姉さん…！？」


『すみません。そこ通してもらえますか？私達急いでるんです。』



「何を言っている、貴様！その子を此方に渡せ！」




交渉決裂ですか……。




「……っ、…？姉さん？！ま…まさか？」


『しょうがないです。力づくで通させて頂きましょうか。』





カキィーン……！！





何人居ようと関係ない。

素早く刀をふるい、片っ端から切りながら道を作る。





「姉さん…まさか本当に殺して…」


『峰打ちだから安心して、それより私達これから何処に向かえば…。』


「此処の最上階だ！おいらの母ちゃん…ここ一番の花魁なんだ…」






花魁様に会うことになるなんて…。

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