【募集企画】とある最強の独立大隊。＜本編＞ (ページ10)

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自己紹介　龍祁宗近ページ10

軍務省法務独立部隊『ルーヴ』

其処の部隊の隊員の一人である彼女龍祁宗近。別名、白夜叉。戦場を駆け巡り、刀を振るいながらも独自の美しさ、気高さ、気品さ、幻想さを失わず血を吸えば吸うほど美しく爆発的に成長を遂げることからその名がついた。

彼女の人間離れした美しすぎる顔立ちは血を浴びても歪むことはなく、それでいてどこか楽しむように余裕を見せる体制で大らかに笑う。
そんな彼女の本体は刀剣であり、其実龍祁という存在は1200年という時を長らえた刀剣の付喪神である。謂わば、端くれの神だ。
きっと彼女の戦闘狂は刀の付喪神という性(さが)、もしくは本能からきているに違いない。

して、そんな一種の戦闘狂の彼女は現在

「おいババア！？おま、ホンマ何やってん！？何でペットボットルのキャップじゃなくて頭部分がごっそりと斬られて転がっとるん！？何で刀出しとるん？？」

「レオン殿。いやあ、このぺっとぼっとる？とやらは中々に面妖だなあ。はっはっは。この中身が飲みたいのだがどうもぺっとぼっとる殿は飲ませてくれず、致し方なく刀ですっぱりと」

「ペットボットル殿ってなんだよ……。」

ペットボットルのキャップの開け方が判らず刀で斬っていた。器用に、頭部分のみ。ペットボットルが裂けることはなく、蓋のみを斬り落としてある。縁側に一滴も茶が零れてすらいない。
流石の刀術、といいたいところだがこれはツッコミ物だ。
彼女に、自己紹介をするようにと伝えにきたレオン・スターリも思わず半ば叫ぶ形でツッコミを入れてしてしまった。

「あー……。龍祁、お前……。まあ仕方ない、か？俺も教え忘れてたからな……」

独りごちると、よっこらせと龍祁の前に腰を下ろす。そして、運よく持っていたペットボットルをポケットから出し彼女の前に突き出した。

「あのな、おばあちゃん。まだお前は物忘れ入っとらんから大丈夫やと思うけど、よく聞いておけ。これは蓋をこうやって回すんだ」
言葉に続くようにきゅ、と蓋を左へと回す。かち、と小さく音が鳴ると見事にそれは空いたのだった。

「ほぉ……。これはまた面妖な……」透き通る蒼色の瞳を見開く。すす、と袖元を口に持っていく。
彼女のその行いでさえも普通であればほぅ、と溜息を吐き見惚れるものだ。彼女の顔は謂わば顔面国宝によくあてはまりその行動の華やかさを非常に際立てる。