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狂気と異形 ヨナグニサン ページ23

「あっきゃきゃ、きゃきゃきゃ!!あ”ァ”〜……最高」

目の前の敵と言う敵を切り刻み快感に溺れているのは紛れもないヨナグニサン。
戦闘と言うのは幻覚幻聴とは違った楽しさがある。
血にまみれた彼には怖い物は何も無い。あるとすれば狂気だけだ。

「ほらほらどうしたんだい?まだ戦えるだろう?僕に傷をつけられるだろう?きひひひッ」

そう言いながら1人の敵兵の首を絞めながら地面に押し倒す。
その姿を見た敵兵のいくつかはきっと逃げ出したに違いない。

「……ぅ……んん、もう切れてきたか」

先ほど息の根が止まった敵兵を放り投げる。
どうやらクスリの効果が切れかかっているらしい。
ヨナグニサンの視界が一瞬クラッとし、幻覚幻聴が見え始める。

「なんだい、今回は君か。悪いがあいにく仕事中でね……遊んでいる暇はない」

人から見たら独り言。だがヨナグニサンから見たら対話。
あーだこーだと話ながらクスリを取り出し使う。

「……あー、キタキタ……しっかし、12師団をよく捌けるね……見えない何かが僕らの味方をしているんじゃあないかな」

「くっふふふふ」と不気味な笑みと共に見つけた敵兵にナイフを投げつける。

「数だけ、か。いないのか?僕に傷をつけられる奴は!」

彼の目的は「生と死のスリルを味わうこと」一歩的に殺すのではなく、傷つけ傷つけられながらの戦いを求めている。
……かといって、手を抜くという訳にはいかない。

不満を垂れ流しながら死体の道を歩いていると彼にとって興味深いものを見つけた。

「おい!戦え!戦えって言ってるだろ!!」

白い肌でスキンヘッドの子供……とその子供に怒鳴っている敵兵。
敵兵が片手に持っているのは鎖で、その鎖は子供がつけている首輪に繋がっている。

それだけだったらヨナグニサンは無視するだけだろう。
彼が興味を示したのはその事ではない。
彼が興味を示したこと、それは……その子供が「顔なし」であることとノイズみたいな音を発していること。

「幻覚……じゃあ無いようだね。それに怒鳴っている奴がいるし」

今の彼はとてもワクワクしている。
――――幻覚にいそうな子が現実にしっかりと存在している事に。

そうとなれば後は行動あるのみ。敵兵に背後に忍び寄りナイフで一撃。
子供に夢中だった様であっさりと倒れた。

「――ザザッ!?――――ガー、ガガガ、ザ――」

その子供は酷く震えている。今にも泣き出しそうじゃあないか。

狂気と異形→←肉と血 雨宮月菜



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味噌田楽(プロフ) - 更新しました。 (2021年6月1日 21時) (レス) id: 9f9b8eea81 (このIDを非表示/違反報告)
味噌田楽(プロフ) - 更新します。 (2021年6月1日 21時) (レス) id: 9f9b8eea81 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 三ツ星優星さん» 了解しました。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 15069fcb1b (このIDを非表示/違反報告)
三ツ星優星(プロフ) - 柊 琥珀さん» メモ欄のお知らせです。追記も少ししたので閲覧お願いします(。・ω・)ゞ (2021年3月14日 0時) (レス) id: b581edf190 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 三ツ星優星さん» お知らせってどこのお知らせですか? (2021年3月13日 21時) (レス) id: 15069fcb1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:参加者様一同 x他6人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ikatomo/  
作成日時:2021年1月24日 0時

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