弟はもうやめた～YunhoVer～ (ページ5)

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Ep,5 ページ5

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「あれ、部長。案内とかはいいんですか？いつも新人が入ると誰かが担当する…」

先輩達の中では若い方の部類に入るであろう細身の男性が、仕事に戻ろうとして動きかけた体を翻す。

そうだ。
ユノが最近忙しくなったのは、部長に昇進したからのようだった。

どうしてこんなに簡単に入社できたのか不思議に思ったが、事務の人が急な結婚で辞めてしまったことや、ユノの地位を考えて納得できた。

まだ社会人になってから二年半しかたっていないというのに、またユノとの差が広がったようでなんだかやり切れない思いになった。

「ん？あぁ、俺がやるよ」

俯く私に気づいたのか、背中に腕が回される。
いつも、私の事を慰めてくれた優しい腕。

そんな、変わらないユノの温かさにホッとしたのもつかの間、やはりユノはユノだったのだ。

「Aの事は俺が一番よく分かってるつもりだからな。それに、二人きりで話したいこともあるし」

沈黙＿＿

効果音でもつきそうなくらいにガチガチに固まった先輩達。

もちろん、それ以上にガチガチなのが私だ。

…忘れてた。
ユノはこういう奴だった…

少しは耐性がついてきたのか、いち早く現実世界に戻ってきた私が無言でユノを引っ張って行ったのは、言わなくても分かるだろう。

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