弟はもうやめた～YunhoVer～ (ページ4)

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Ep,4 ページ4

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「それで、ここが給湯室な。しばらくはお前がそういう担当になると思うからちゃんと覚…」

「ちょっと！待ってよ！」

水道の上にある棚をのぞき込みながら淡々と説明するユノを遮って、小声で呼びかける。
別に小声である必要はないんだけど、さっきの事を考えたら自然とそうなってしまうのだ。

仲良くなれそうだと意気込んだ矢先のあの出来事。
いくら元気が取り柄の私でも、ああなってしまった空気はどうすることも出来ない。

…だいたい、今ここにいること自体、私が一番不思議なのに…

一体これ以上私にどうしろというのか…

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結局両親が引っ越しをするのをただ見送って、呆然としていた。
そんな所に現れたユノ。

そういえば最近仕事が忙しくなったとかなんとかで、あまり会ってなかったな、なんて。
まだぼんやりしていて、その程度だった。

…はずなんだけど。

ソファーに身を沈めて何もやる気の起きない私の前にかがんで目を合わせて、にっこり微笑んで。
あれよあれよという間にユノの働く会社に勤めることになった。

本当に一瞬で。

スーツを着せられて連れていかれたやたらと高いビルの一室で、自己紹介と一言二言の簡単すぎる面接をして。

それがまさかユノの働く会社だったなんて…

『落ち込んでるんだか知らないけど、そうやってぼんやりしてるだけなら働け。その方がおばさん達だって喜ぶだろ』

面接の帰り道そう言ったユノの背中は、私が知らない働く男の後ろ姿だった。

『それに、お前は笑顔の方が似合うよ』

…この言葉で元気が出たなんて言ってやらない。

でも、そのおかげで働こうと思えたから感謝はしてる。

やっぱり、立ち止まってちゃ駄目だ。
お母さん達が安心していられるように、私はここで精一杯働こう。
そう思えた。

…なのに、なんでそれを初日からぶち壊してくれるのかなぁ？
ユノくん？

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