Ep,2 ページ2
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「なぁ、何怒ってんだよ？…あ、もしかしてあれか？俺が…」
「あぁー！もううるさい！黙っててよ！だいたいどうしてあんたがここにいるの！？」
「どうしてってそりゃあ…家、隣じゃん？」
あぁ、どうしてこの鈍感な男は社会人になった今でもその鈍感さを保っていられるのだろうか…
だいたい今まで私がその性格にどれだけ苦労させられてきたか。
幼稚園でも小学校でも中学校でも高校でも…
更には社会人になった今でも。
今日だって…今日だって…
「うぁー！もう明日から会社行けないー！！！」
「ちょ、なんだよいきなり。叫ぶなよ」
「あんたのせいでしょうが！！」
驚いたようにこちらを見るそいつを思いっきり睨みつける。
「ひどいなぁー、仮にも上司にむかって」
…そうだった。
認めたくないけど、こいつは仮にも私の上司だった…
「…ユノ先輩のせいで私は明日から会社にいけません。どうしてくれるんですか」
できる限りの低い声で、ひとつ年下の上司に噛み付く。
「はは、いいよユノで…で？」
待てこら、お前が言ったんだろ。
何が｢ユノでいいよ｣だ。
その微笑みが効くのは私以外の女(たまに男)だけだぞ。
「…で？…え？何？」
首を傾げるユノに、乾いた笑みを浮かべて同じようにして聞き返す。
「ほら、何か怒ってるんだろ？」
…駄目だ。
もうこれ以上ユノと話してても無駄。
「え、ちょっと。A！？」
後ろで名前を呼びながらついてくるユノを無視して、足早に家へと向かった。
あぁ、そうだ。
｢明日から会社に行けない｣なんて言ったけど、この職場に出勤したのは今日が初めてだった。
はは、出勤一日目にして私のこれから先の生活が目に見えるよ。
地獄だ、地獄…
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作者名：あき | 作成日時：2017年5月21日 20時
