浅草橋哀歌�� ページ20
伊地知side
伊｢ここで合ってる、よね？｣
午後5時45分。浅草橋駅から徒歩10分
指定された店を見つけた
【食べ処 小鳥箱】
店先には赤提灯が提げであるし、玄関は薄い引き戸
色気があるとは言い難い店構えに膨らんでいた仄かなときめきが静かに萎んだ
しかし、2人で食事なのは確かだ
意を決して店の引き戸を開けた
五｢ウェーイ、おせーよ伊地知｣
閉めた。ピシャリと音がした
そしてまた恐る恐る開けた
五｢なにやってんの？｣
どう見ても五条さんだった
伊｢五条さんこそ何やってるんですか？｣
五｢飲み屋でノンアルコール縛りプレイ、酔っ払うまで帰れまテン｣
伊｢それ一生帰れないじゃないですか…｣
家｢早く入れ伊地知、私も五条も先に始めてる｣
家入さん達が座る4人卓
飲みはこの3人だったのか。まあ現実だ
五条さんの隣に座ると目の前にビールが出てきた
家入さんの、とりあえず駆けつけ1杯、の声と共に
五条さんはジョッキでメロンソーダを飲んでいる
五｢伊地知ー、野球か政治の話しようぜ｣
伊｢やめてくださいよ、飲み屋で持ち出したら喧嘩になるタイプの話題振るの…｣
五｢僕はね、石田三成が結構好きなんだけど、秀吉亡き後の立ち回りが上手かったとは言えないよね｣
伊｢戦国時代の政治の話とは思いませんでした…
石田三成、好きなんですか？｣
五｢お茶ぬるめに淹れてくれるじゃんアイツ｣
伊｢戦国武将を給仕扱いしてる人初めて見ました…｣
五｢じゃあ次は最強の武将について語ろうぜ。僕のイチオシは五条悟。
…ああ、でも菅原道真だけはちょっと厄介かな｣
伊｢持ち出してくるのがビックネームすぎる…｣
いつもの調子だが、いつもより口数が多い
ノンアルコールとはいえ、周りの雰囲気で酔っているのだろう
それから1時間は経ち、久しぶりにお酒を飲んだからかもう既にほろ酔いになったところで五条さんがまた口を開く
五｢次は〜…とっても可愛すぎるAについて！どう思う、伊地知｣
メロンソーダにアルコール入ってるか疑う程テンションの高い五条さん
間違っても可愛いなんて答えたら殺される
家｢伊地知。無視していいからな｣
五｢ま、可愛いくない、なんて答えたらまじビンタだったけど｣
答えなくて良かったと安堵する
家｢伊地知。ストレス溜まってるんだから、ちょうどいいほろ酔いのまま睡眠とれ。五条がこうなると帰れなくなる｣
その言葉に感謝しつつ、夜道のネオンの中を帰路についた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 584人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜(プロフ) - r_inaaa6さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！励みになります；； (12月1日 14時) (
レス) @page14 id: 16714506de (このIDを非表示/違反報告)
r_inaaa6(プロフ) - めちゃめちゃ好きで一気読みしちゃいました！！更新楽しみにしてます^^これからも頑張ってください^^ (11月22日 13時) (レス) @page9 id: ee744ba5ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜 | 作成日時：2023年11月14日 3時
