浅草橋哀歌 ページ19
五条side
『セ・ク・ハ・ラ！！』
そう顎を押し上げられ逃げる様に走り去る
耳まで真っ赤な後ろ姿に思わず唇を綻ばせる
立ち上がり向かった先は
五｢硝子〜聞いてよ〜Aがもうほんっと可愛いんだけど〜｣
家｢こいつも来たか…｣
五｢もって言った？ってことはAも来たの？｣
家｢すぐ追い出したけどな。ここは恋愛相談所じゃないんだよ全く……｣
硝子がため息をつく
家｢あんまりAをからかってやるなよ。
オマエと違って純粋なんだ｣
五｢失礼しちゃうな〜僕だって本気なんだから｣
家｢……｣
硝子は信用出来ないという目で見てくる
五｢硝子、今日夜暇？｣
家｢呑みなら付き合わない。大体Aの惚気を聞かされて面倒。｣
五｢全部奢るから｣
家｢よしきた。店はこっちで決める｣
案外チョロい硝子に感謝する
家｢こんな所で油売ってないで仕事しろ。伊地知が可哀想だぞ｣
そう言い僕の事も追い出した
Aで元気もチャージしたし、報告書書くか〜
───────────
──────
家入side
五条が出ていってから数分後、意外な人物が医務室に来た
家｢＿＿ストレス性の不調だな。弱めの胃薬を出しておく｣
簡単な問診を終えると、伊地知に袋に入った粉薬を差し出す
意外な人物とは伊地知だ
伊｢ありがとうございます。おかげで助かりました｣
家｢実際に内蔵が弱ってるわけではないから飲みの前に気休めで飲むような簡単な胃薬だよ。なんならドラッグストアでも売ってるから、常備しておくと安心かもね｣
伊｢いえ、こういうのは専門的な知識のある方に意見を仰ぐのが大事かなと｣
家｢そう？ 殊勝な心掛けだな｣
姿勢よく丸椅子に座る伊地知の顔は明るかった
家｢そうだ。伊地知、今日の夜は暇か？｣
伊｢え？｣
家｢今夜｣
伊｢…………え？｣
家｢耳鼻科の診察が必要か？｣
伊｢あ、いえ。暇です暇です暇です暇です｣
家｢まあ、暇なら良かった。飲みに行こうと思って誘ったんだが。勿論胃に負担をかけない範囲のつもりだけど、君の不調は器質的なものじゃなさそうだ。
少し気分転換した方が体にいいだろう｣
伊｢は、はい。ぜひ、行きます｣
家｢じゃあ今晩6時ごろに浅草橋で。店の場所は後で連絡する｣
伊｢わ……わかりました！｣
背筋を伸ばして応える伊地知に微かに笑いながらカルテの整理をする
伊地知が深々とお辞儀をして医務室を後にした
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 584人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜(プロフ) - r_inaaa6さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！励みになります；； (12月1日 14時) (
レス) @page14 id: 16714506de (このIDを非表示/違反報告)
r_inaaa6(プロフ) - めちゃめちゃ好きで一気読みしちゃいました！！更新楽しみにしてます^^これからも頑張ってください^^ (11月22日 13時) (レス) @page9 id: ee744ba5ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜 | 作成日時：2023年11月14日 3時
