〈完〉ソンムル (ページ6)

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6枚目ページ6

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「A、」

「ユンギ...」
「何で隠れてんだよ」
「お、おかえり...」
「ん、ただいま」

キッチンの隅に見つけた、小さな身体。
名前を呼んで腕を引っ張れば、驚いたように顔を上げるAと対面する。俺が分かんないとでも思ったのかよ。

ひらひらと今までの手紙を顔の前で振ると、どうも不貞腐れたように視線を落とすAに少し戸惑う。伝えたいことはこれだけじゃないのか。

「まだ終わってないよ」
「？」
「...五行詩なの、それ」

まじか。そんなに頭の回る子だったか？
若干Aを馬鹿にしながら、さっきの手紙の頭を一つずつ組み合わせる。

「윤」「기」「사」「랑」「해」

「윤기 사랑해 」
「ちょ、声出さないでよっ」
「.....ばーか」

ぎゅっとAを抱きしめると、ユンギ、とくぐもった声が下から聞こえた。可愛いことすんなよな。だから랑が語頭に来てたのか。納得。
普通にすっげー嬉しかった。本当は言葉で欲しいとこだけど、それは無理か。諦めよう。

「生まれてきてくれてありがとう」
「うん」
「私に愛されてくれてありがとう」
「うん」
「私を愛してくれてありがとう」
「うん」

「あ、愛してる...ユンギ...」
「.....うん、俺も愛してる、」

好きが、好きよりも膨らんで、溢れた。
俺の為に沢山勇気を振り絞ってくれたAが愛おしくて仕方がなかった。強く強く、抱きしめる。

愛してる。
出会ってくれてありがとう。

Fin.