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「マル、しんどいなぁ…」
一人残された章大は
部屋で隆平に付きっきりで看病をしていた。
降格と告げられた時には
地元に送り返されるのかと一瞬ヒヤリとしたが
隆平が復帰するまでだという村上の意向を聞いて安心した。
章大たちに与えられた身分は、隆平と同等。
つまり同期にすら敬語を使わねばならない身分にはなってしまったわけだが
不思議と章大は屈辱には感じなかった。
「亮とたっちょんが料理してるんやで？どう思う？絶対亮焦がしてるやろ」
降格は喜べることではないが
そのおかげで
こうして、隆平と気兼ねなく話が出来る。
生憎、まだ苦しむ隆平に声が届いているかはわからないが、
章大はそれでも嬉しかった。
「マルが来たときな、ホンマに驚いてん。まさかって思った」
こんな時でしか口に出せないことを
章大は自然と打ち明けていた。
小さい頃、隆平と二人きりの時間にそうしていたように…
「僕たちね、嬉しかったんよ。マルと一緒やって。
これでまた4人で過ごせるって。ホンｯｯマに嬉しかった。」
章大の顔は、ここ1ヶ月近く閉ざしていた笑顔で満ちていた。
隆平の前でまた笑顔になれる瞬間が来ることは
章大の望みだったのかもしれない
「でもな、僕らマルに苦しい思い、してほしくなかってん。
ここは厳しいとこやし、マルにとって生きづらいとこってのがわかってたから、
出て行って欲しかった。」
マルのために
その想いでしたこれまでの行いをふと振り返って
章大はさっきまで上がっていた頬をゆっくりと下ろした
「でもマルは、全然めげへんかったね。
相変わらず明るくてさ。
昔からやけど、マルってツラさ見せへんやんか…」
自分たちの仕打ちを受けても変わらず笑顔の隆平に
冷たい態度を取りつづけてしまっていたことが
大きな過ちだったと気づくには
あまりに遅すぎた。
「小学校のあの日から、僕らとマルの関係って変わってもうたんかなぁ…
酷いことたくさんしたし、困ってるマルに何もしてやれへんかったけどさ…」
繕ってきた仮面は
こんなにも脆く、しょうもないものだったのかと
章大はそう自責の念に駆られながら
「僕はまだ、マルのこと、めっちゃ好きやで」
胸の内に押しとどめていた本音を
はっきりと口に出した。
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You(プロフ) - 今更ながらこの作品に出会いました。良き結末であることを祈っております。 (2021年5月24日 1時) (
レス) id: 4838a1782f (このIDを非表示/違反報告)
よんぱち(プロフ) - 愛∞さん» ありがとうございます！世界観大切にしながら頑張りますね(^^) (2018年10月14日 22時) (レス) id: 133e76bc63 (このIDを非表示/違反報告)
愛∞(プロフ) - 相変わらず、すごいですね。こういう雰囲気とか世界観に最近ハマってます。頑張って下さい！ (2018年10月14日 11時) (レス) id: 64e52e5a9f (このIDを非表示/違反報告)
愛∞ - 新作作ったので、ぜひ読んでください。(大嫌いな君。) (2018年7月9日 21時) (レス) id: bcf804df6a (このIDを非表示/違反報告)
よんぱち(プロフ) - 愛∞さん» ありがとうございます。愛∞さんもがんばってくださいね(^^) (2018年6月30日 21時) (レス) id: 9f05dd0fde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よんぱち | 作成日時：2018年6月17日 21時
