＊ ★Subaru Shibutani ページ43
彩ちゃんとのセッション
気持ちよく歌ってた。
俺らのファンの中でも人気なこの曲やけど
人が歌うん聞いてたら改めて考えさせられるもんがあるなぁって想いながら
いつもの通り、全身で想いを伝えてた…
そんなときや
なんか背中がぞくっとして
ギターを弾く手を止めてもうた…
そしたら上から何かデカいもんが落ちてくるんが見えて
渋「危ないっ！！！」
俺は咄嗟に隣で真剣に歌ってる彩ちゃんを突き飛ばした
パイプ椅子に座ってスタンドマイクで歌ってた彩ちゃんを守るようにして
二人で床に倒れ込んだ後
ガシャンという大きな音をたてて
一台のクレーンカメラが落ちてきた
ちょうど、彩ちゃんが居た位置にめがけて…
途端に会場中に広がる
マイクのハウリングの音と
客席からの悲鳴
村「すばる！」
優「さや姉、大丈夫っ？！」
すぐにスタッフやメンバーが駆けつけてきて
俺らの安全を確かめに来た
渋「俺はなんも…」
彩「わたしも…、大丈夫です」
口ではそういう彩ちゃんの身体は小さく震えとる…
そんな中じゃ俺らの番はこれ以上続けられんと判断した。
やけど、これでコンサート中止になんてなったら元も子もない。
渋「みなさん、落ち着いてくださいね。いやぁ、びっくりしました(笑)
危なかったですわぁ。でもケガないんでね、安心してください」
やから俺はマイク握り直して、客席にそう言うた。
渋「中途半端になって申し訳ないんですけど、このあともまだまだあるんで、
ちょっとしたハプニングやったなぁ〜くらいな感じで今のことは思ってください。
ほんなら次はこいつらです！どうぞっ！」
俺が話してる間にスタッフらがステージに散らばったカメラの破片をサッと片付けてくれて
無理矢理感はあったけど、次にバトンを渡し、ステージを降りた。
渋「おい、大丈夫ちゃうやんけ！」
彩「大丈夫ですっ…痛っ…」
ステージ袖に行くと、先にステージを降りてた彩ちゃんが
右腕を押さえてうずくまっとった…
どうやら手の付き方が悪かったようで手をやってもうたみたいや…
咄嗟のこととはいえ、悪いことしたな…
渋「…っ行くで！」
このあとのこと考えてものんびりしとる時間はない…
うずくまった彼女の左手を引いて
医務室へと向かった
＊ ★Ryo Nishikido→←＊ ★Tadayoshi Okura
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作者名：よんぱち | 作成日時：2016年11月25日 23時
