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＊ ☆Sayaka Yamamoto ページ41
錦「それがキミでした 愛しキミでした」
錦戸さんの歌声がドームいっぱいに響き渡る。
アコースティックギターを弾きながら
自分のスタイルで唄を紡いでいく彼は
時折、声を詰まらせたり鼻をすすったり…
誰のことを思って歌ってはるのか、
そしてその人がどれほど錦戸さんにとって大切でかけがえのない人なのか
それが全部声となって音となって伝わってきて。
彼らの事情をよく知らない私でも胸が熱くなるものがあった。
最初はどこか強がって
上を向いて涙が零れるのを我慢する仕草を見せていた彼も
最後は涙を隠すことなく
全身で想いを体現し、
自分の唄を歌いきった。
渋「亮、よぉ頑張った」
私の隣で錦戸さんの姿を見守っていた渋谷さんは
3度手を打って、首を何度も縦に振ってそうぽつりと呟いた。
渋「あいつに負けられへんなあ」
彩「はい」
渋「よっしゃ、行こう」
渋谷さんは右手で目元をごしごしと拭って
その手で私の左手を握った。
暗くなったステージへと
私たちは歩みをそろえて足を進めた…
この先待ち受けていることさえ知らず…
＊ ★Tadayoshi Okura→←＊ ★Subaru Shibutani
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作者名：よんぱち | 作成日時：2016年11月25日 23時
