* ★Subaru Shibutani ページ40
「KJN48には、全部で15人のメンバーがいます。
15人っていう人数は、俺にとっては普段と比べたら多い。やけど、足りひん。
本当は、まだここに一緒に立って欲しい人が2人おんねん。」
亮はまっすぐ前を向いて話し続ける。
やけど、その目には客席やなくて別のもんが映っとるように俺には見えた。
「そのうちの一人は、ずっと俺の隣におってくれる人やった。
俺は、ガキやったから…いっつも甘えて、反抗して…
その優しさに甘えてたら、その人は突然いなくなってしもうた。
俺がワガママ過ぎたから…その人のこと、わかってあげようとせんかったから…
いなくなってもうたと知った時…俺、ホンマに消えてしまいたいくらい、自分を責めました。」
亮の途切れ途切れの言葉に
気がつけば会場の誰もが耳を傾けとった。
「けど、俺にはそんな資格さえないなって…
苦しさから逃げることなんて許されへんよなって思って…
5人に引っ張ってもらいながら、
そして、同じように苦しい思いを抱えた9人に支えられて今日まで生きてきました。」
こうして大勢の前で想いを吐き出すんはあの日以来初めてのことやと思う。
ステージ裏でも、メンバーやスタッフ全員が
亮の姿を見守っていた
「今日は、一緒にステージに立ってくれてる14人と…
そして、遠く離れた場所で俺のこと見てくれてると信じて、
大切な仲間に向けてこの曲を歌いたいと思います。」
亮はひとつ大きく息を吸い込んで
堅くなっていた表情を柔らかくして
「それでは聴いてください。錦戸亮で『愛でした。』」
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作者名:よんぱち | 作成日時:2016年11月25日 23時