【∞】∞の４あ８せを part12【４８】 (ページ44)

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＊　★Ryuhei Maruyama ページ44

7人心置きなくくつろげる移動車の中。

僕はケータイとにらめっこしていた。

錦「マル？何してんの？」

丸「えっ！？あ、あの…みんなはどう思ってるんかなぁって」

錦「…そんなん気にしてもしゃあないで？」

コンサートの人気があまりないみたい…

そんな話を聞いて、僕は毎日のようにネットサーフィンして

ファンの子たちの反応を調べてた。

最初の頃は、僕らとAKBさんが一緒にステージに立つことに対しての不満と

裕ちんと高橋さんが戻ってくるんやないかっていう期待の声が目立ってた。

せやけど、今は…

安「まーる。俺、そんなん気にせんからね。マルが傷つくことはないねんで？
　それに亮の言う通り、もうやるって決めたんやから。
　そんな意見知ってもしゃあないやろ？」

章ちゃんは僕が隠しきれんかった画面を見てそう言った。

『合同コンサートは安田と渡辺の公開披露宴』
『メンタルやられるってわかってて金払う奴www』

そんな心ない言葉が

画面を何度スクロールしても途切れることなく書かれていた。

二人の誤報は、ファンの子には真実としてとらえられてる…

いや、今は作戦で付き合ってることになってるからあながち間違いではないんやけど…

このままやと二人の苦しみばかりが増えていくようで

僕の中には不安ばかりが募る…

二人のことを超えられる、ファンの子たちが楽しみにできる話題が何かがあれば

少しはお互い気持ちが楽になれるのに…

そんなことを考えながら車に揺られ、

しばらく経つと都会のビル街、人の行き交う大通りの隅に車は止まった。

安「マネありがと。ほな俺、ここで降りるわ」

そう俺らを見渡して声をかけ、扉に手をかける…

その扉が開いてしまえば、

僕らがキミに声をかけることはできひん…

安「じゃあ、またあしたな！」

声なんて返ってくるはずもないのに

にっこり笑っていつもと変わらぬ挨拶をして背を向けて去って行く彼。

これが彼の意思やとしても、僕にとってはツラいこと…

なんで何も悪くない彼にこないな仕打ちをせんとアカンねや…

でも、必死に心を鬼にして僕も頑張ってるんよ…

彼の方が僕の何十倍もしんどいんやから…

安「ごめん、待った？」

麻「いえ、大丈夫です」

そんなことを想いながら彼の後ろ姿を見守っていると、

わざとらしく笑顔を作った彼女が彼の腕にくっついていくのが

窓の向こう側に見えた。